植物RNAウイルスのキャップ非依存性翻訳と時間的発現制御に関わる植物因子の同定
Project/Area Number |
17026018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 哲郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00221151)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ウィルス / RNA / 植物 / キャップ非依存性翻訳 / 翻訳因子 / RNA複製 / RNAサイレンシング / RNA複製酵素 / ウイルス |
Research Abstract |
Red clover necrotic mosaic virus(RCNMV)の翻訳・複製に関わる宿主因子とウィルス因子を同定するために必要なin vitro翻訳・複製系(BYL)をKomoda et al.(PNAS 2004)の方法により調製した。BYLはin vivoにおけるRCNMVのキャップ非依存的翻訳とRNA複製(今のところはマイナス鎖合成)を再現できることを明らかにした。RCNMV RNA1のキャップ非依存性翻訳機構においてはRNA1の3'非翻訳領域(UTR)に存在するSL1を含む3'TE-DR1が必須であり、RNA1の3'-UTR(RC1-3'-UTR)はキャップ構造とポリ(A)配列の代わりとして機能する。また、RCNMV RNA1からほぼ完全長のRC1-3'-UTRが未知の機構で生成する。RC1-3'-UTRはBYLにおいてRNA1の翻訳活性を阻害した。一方、SL1に変異を持ち、キャップ非依存的翻訳活性を付与出来ないRC1-3'-UTRSLmでは阻害効果がほとんど見られなかった。このことからRC1-3'-UTRはSL1構造特異的に翻訳因子を競合すると考えられた。これらの結果を基に、ストレプトタグをもつRC1-3'-UTRを用いSL1構造に特異的に結合する宿主因子の単離を行っている。しかし、SL1配列に特異的に結合するタンパク質はまだ得られていない。 一方、RCNMVのRNA2のキャップ非依存性翻訳はRNA1の翻訳機構とは異なりRNA複製とリンクしていることが分かった。そこで、RRCNMVの複製酵素成分であるp27タンパク質(p27)にェピトープタグを付け(p27-TEP)、RNA複製に関わる宿主因子の免疫学的手法による単離を同時に試みている。現在、p27-TEPに特異的に結合するタンパク質としてHSP70を得ている。RRCNMVのRNA複製複合体形成はRNAサイレンシングの抑制とも密接にリンクしているため、本手法による宿主因子の単離同定は、RNAサイレンシング、翻訳、複製ネットワークの解明につながることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)