Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
シロイヌナズナには,Ara6,Ara7,Rha1の3つのRab5ホモログが存在する.このうちAra7とRha1は動物のRab5のオルソログだと考えられるのに対し,非常にユニークな一次構造を持つAra6がどのような機能を有しているのかについては全く明らかとなっていなかった.一方,Ara6に相同性を示すタンパク質は種子植物のみならずヒメツリガネゴケやイヌカタヒバにも存在することから,Ara6型Rab5は,少なくとも4億年以上にわたり,陸上植物に保存されていることが明らかとなった.このことは,Ara6が植物の生命活動において重要な機能を担っていることを示唆している.そこで,これら2つのRab5グループが植物の発生においていかに機能しているのかを明らかにするため,変異体を用いた解析を行った.ara6,ara7,rha1の各変異体は,目に見える表現型を示さない.そこで,エンドサイトーシスに異常を持つ変異体との遺伝学的相互作用を詳細に解析したところ,ara6はvam3の表現型のほとんどを抑圧するが,rha1,ara7の両変異は逆にvam3の表現型をエンハンスすることが見いだされた.また,これらRab5メンバーの活性化を担っているAtVps9aの変異に対しても,ara6とara7,rha1は全く逆の効果を示した.このことから,陸上植物特異的なAra6は,真核生物に広く保存されたRab5ホモログと拮抗的に機能していることが明らかとなった.この結果は,植物が進化の過程において,エンドサイトーシスの制御のため,Ara6を用いた独自の制御システムを獲得したことを示している.さらに我々は,Rab5メンバーの機能が,シロイヌナズナの花成制御に関わっていることも明らかにしている.これらのことから,独自に進化したエンドサイトーシス制御機構が,植物の高次機能発現において必須の役割を担っていることが明らかとなった.
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