タンパク質の安定性に関わる新規翻訳後修飾、Gdx化システムの分子機構の解明
Project/Area Number |
17028004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 典子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10361073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 啓子 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60294972)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | タンパク質 / 翻訳後修飾 / ユビキチン様タンパク質 |
Research Abstract |
ユビキチンやユビキチン様タンパク質(UBLs)による翻訳後修飾は、生命現象に必須なタンパク質制御機構である。われわれはこれまでにII型 UBLグループに分類されていたGdX/UBL4が新規翻訳後修飾分子(1型 UBL)として機能することを示唆するデータを得ていた。GdXの結合タンパク質として同定したcyclin Fが細胞内でGdX化することを示すデータを得たのである。GdX化を受けないcyclin F変異体を細胞に発現させたり、siRNAによってGdXタンパク質の発現量を減少させるとcyclin Fは安定化し、どちらの場合もG2/M期の細胞が増加した。 そこで本特定領域研究期間に、より詳細な細胞周期の解析と新規GdX化システムの酵素群(E1(GdX活性化酵素)/E2(GdX結合酵素)/E3(GdXリガーゼ)様分子)の同定を試みた。まず細胞周期解析のために核を可視化したHeLa細胞を用い、shRNAによる誘導型GdX発現抑制細胞株を樹立し、M期の詳細な解析を行った。GdX発現抑制細胞では細胞増殖が低下し、M期の障害(中期形成異常による染色体分配異常や紡錘体形成異常)による多核細胞や分裂期細胞死が増加するという結果を得た。正常な細胞ではS期からM期にcyclin Fの発現量は高くなるが、GdX発現抑制細胞ではそのcyclin Fの分解が遅延し、その結果cyclin Aやcyclin Bの分解時期が遅れていた。Cyclin Bの分解異常により細胞質分裂が完了せず、細胞が2核になることが報告されていることから、GdXはcyclin Fを修飾(GdX化)することによってcyclin Fタンパク質の安定性を制御し、cyclin Aやcyclin Bを制御することが示唆された。このことよりGdXによるcyclin Fの制御が正常な細胞周期の維持に関わっている可能性が強く示唆された。 GdX化システムに関しては、E1(GdX活性化酵素)/E2(GdX結合酵素)様分子の同定には至らなかった。しかしcyclin FのGdX化には直接関与しないGdX化のE3(GdXリガーゼ)様分子や新たな基質の候補遺伝子を複数同定することに成功した。それらの解析を含め、細胞周期M期の制御に重要なGdX化システムの分子メカニズム、特にE1/E2様分子の同定が今後の課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)