Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
N端の89番目までのアミノ酸残基が取り除かれたPrP^<Sc>は,アミロイドを形成することが知られているが,これと同じ長さのPrP^Cや全長のPrP^Cも,in vitroでアミロイドを形成することが分かった。また,PrP^Cには,αヘリックス領域が3つとβシート領域が2つ,また,PrP^Cで疎水性がもっとも高い疎水性クラスターと呼ばれる領域が存在する。PrP^CからPrP^<Sc>への構造変換における,それぞれの領域の役割に注目してアミロイド線維形成について調べた。その結果,ヘリックスB(アミノ酸172〜194残基)とヘリックスC(200〜227残基)領域のペプチドと,疎水性クラスター(113〜127残基)領域のペプチドが,アミロイド線維を形成した。さらに,ペプチドの種類によって形成されるアミロイド線維の構造と形態がかなり異なっていた。疎水性クラスター領域やヘリックスBのように針状の線維を形成するものもあれば,ヘリックスCのように曲がりくねった凝集体を形成するものもあった。これらは部分ペプチドを使った実験ではあるが,全長PrP^<Sc>の構造も一つではなく,いくつかの構造,形態があることが示唆された。実際,全長のPrP^Cを用いて,in vitroで線維形成について調べると,針のような線維ではなくオリゴマー状の凝集体がよくできた。しかし,条件をしぼれば,細長いアミロイド線維が形成される場合もあり,全長PrP^Cにはいくつかの形態が存在した。さらに,その形態は毒性と関連があると考えられた。 またシリアンハムスターのプリオンのアミロイド線維を核にして,マウスのプリオンでアミロイド線維を作ると,形成される線維はマウス聖ではなくシリアンハムスター型になった。以上の結果から,プリオン病はプリオンのアミロイド線維またはβオリゴマーなどによって伝播し,その凝集体構造の不均一性により,異なるプリオン株が出現するのではないかと考えられた。
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