Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
DnaK分子シャペロン(DnaK, DnaJ, GrpE)が細胞内で合成途中のポリペプチドやタンパク質のfoldingや分解,サブユニットの会合,膜透過などに働くことは良く知られている,これら分子シャペロンにはDNA複製開始因子や転写因子の活性化・不活性化を助ける機能もあるが,その機能タンパク質の調節因子としての作用機構の詳細は解明されていない.大腸菌ミニFの系はこの研究のモデル系として優れている.我々はこれまでに,各分子シャペロンが,RepEの活性化に必須であること,RepEの単量体はイニシエーターとして,二量体はrepE遺伝子のリプレッサーとして機能すること,in vitroでRepE二量体から単量体への変換はDnaK分子シャペロンに担われていることなどを明らかにした.本研究の目的はこの変換機構を分子レベルで明らかにすることで,今年度は次のような成果が得られた.凝集しやすく結晶化が困難である全長RepE二量体について,昨年,オペレータとの複合体の結晶を得たが,タンパク質調製法と結晶化法を工夫することによって,X線回折実験が可能な結晶の調製に成功した.構造解析は,単量体RepE-iteron複合体の構造をモデル分子とする分子置換法で初期位相を決定し,結晶構造の精密化を完了した.その結果,二量体RepE-operator複合体においてもC末ドメインによって共通8塩基対が認識されている一方,N末ドメインはDNAと全く接触せずに,二量体境界面を形成していることが明らかになった.また,二量体と単量体の結晶構造の比較から,両ドメイン内部には構造変化が確認されないものの,ドメイン間の相対配置が大きく異なっていることもわかった.ドメイン間をつなぐリンカー領域ならびにその周辺領域に,DnaKおよびDnaJが相互作用すると予想される配列があった.二量体から単量体への変換による複製開始機能の発現,分子シャペロンの作用機構について議論した.
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