可視光応答型光触媒の活性種の電子構造とダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
17029007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手老 省三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80111318)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 解析・評価 / 化学物理 / 触媒・化学プロセス / 大気汚染防止・浄化 / 光物性 / 光触媒 / 酸化チタン / 窒素ドープ / 可視光 / メカノケミカル / 電荷分離 |
Research Abstract |
メカノケミカル法によって調整した窒素ドープZnOは抗菌性があることが明らかになったことから、この系について光誘起電荷分離によって生成する常磁性サイトの検討を行った。まず、種々の試料処理条件下で観測される常磁性種についての帰属を行った。市販品ZnO粉末には弱い信号(g=1.960)が観測され、電子の捕捉サイトであるshallow donorに帰属された。尿素を加えないでメカノケミカル処理を行うと2種類の信号が新たに出現し、O_2^-とZnが抜けた欠陥(V_<zn>)に帰属される。この試料をさらに焼成処理(400℃,1h)することにより、O_2^-信号は消失し、V_<zn>とshallow donorが残る。これに対し、尿素を加えてメカノケミカル処理後、さらに焼成処理を加えた試料では、ブロードな信号が出現し、超微細分裂から窒素由来のサイトであり、2つの等価な窒素が存在することが明らかとなった。この信号はN_2^-と帰属され、極低温(20K以下)では大きな変化を示し、極低温において結晶格子内でN_2^-の運動が凍結されたことによると考えられる。 尿素を加えてメカノケミカル処理して調整したN-ZnOは黄色を呈し、600nm付近まで吸収を示す。この試料の可視光誘起EPRスペクトルは、N-TiO_2とは全く異なることが明らかとなった。N-TiO_2ではNO_2^<2->が可視光照射によって出現したが、ZnOではN_2^-が減衰し、shallow donorが増大する。shallow donorは、光電荷分離によって生成した電子の捕捉サイトとして働き、再結合速度を遅くする役割を果たしていると考えられる。 窒素ドープ酸化チタンについても触媒調整法と光誘起常磁性種の比較を行い、アンモニア気流中で高温処理した酸化チタン系でも、NO_2^<2->が可視光照射によって出現することを明らかにした。EPR線形は調整法に依存し、結晶系の歪を反映していることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)