Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Research Abstract |
液体を多量に含みながら硬い多糖類固体中で,分子やイオンの自己拡散や光励起状態の電子移動,あるいは挿入した電極界面での電荷移動が,液体中と同様に起こることを明らかにした.この固体をレドックス溶液を閉じ込める材料として用いて色素増感太陽電池(DSSC)を構築し,固体系の色素増感太陽電池,さらには全プラスティック型の色素増感太陽電池を構築し,交流インピーダンス法により,各電荷移動過程を解析した. 二酸化チタン多孔質膜と吸着色素(ビピリジンルテニウム錯体,いわゆるN3色素など),ヨウ素レドックス系の有機媒体溶液を閉じ込めたナノヘテロ構造固体高分子(多糖類)からなる色素増感光化学電池を構築し,光電変換特性を研究した.これらの過程で,ヨウ素レドックス系による電荷輸送は固体系ではやや遅いが,条件によっては液体系と同等になることがかった.次に,電導性電極基盤として電導性プラスチックフィルム(ポリエチレンナフタレート,PEN)を用いた有機薄膜光化学電池を構築した.光電変換効率は1%カラゲニン固体電解質膜を用いた時に,照射擬似太陽光(AM1.5,100mWcm^<-2>)あたり1.5%であった.ガラス基板電極(FTO)を用いて作製した通常のDSSCと全プラステイックDSSCのI-V特性を比較した.後者で低い変換効率の理由を解明するため,交流インピーダンス法で各電荷移動段階の抵抗を解析,比較した.通常のDSSCに比べて,プラステイック型ではRo(系全体のオーミック抵抗)の増加が最も大きい.電荷移動はお互いが関連するダイナミックな平衡系なので,Roに影響されて,他の抵抗も大きくなったと考えられる. これらの結果から,電導性プラステイック基盤の電導性を,二酸化チタン薄膜焼結後も高く保てれば,通常のガラス基盤型DSSCと同等の変換効率を持つ全プラステイック型DSSCを作製可能なことが明らかにできた.
|