時間分解分光計測を利用した光触媒機構初期過程の解明
Project/Area Number |
17029015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 耕一 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (90232678)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒 / 電荷担体 / 時間分解分光法 / 近赤外 / フェムト秒 / 粒径 / 結晶型 / 微粒子 |
Research Abstract |
研究代表者らは,平成18年度に東京大学大学院理学系研究科の岩澤康裕教授,唯美津木助手,東京大学大学院新領域創成科学研究科の佐々木岳彦助教授との共同研究を行い,7種類の異なる酸化チタン触媒(アナタース型結晶3種類,ルチル型結晶3種類,および両者の混合型1種類)の粉末試料を光照射することで生成させたキャリアのフェムト秒動力学を,波長0.9から1.5μmで10^<-4>の吸光度差をマルチチャンネル検出できるフェムト秒時間分解近赤外分光計を利用して測定した.また,これらの試料中の1次粒子の粒径をX線回折測定によって見積った.この2種類の実験によって得られたキャリアの減衰速度と1次粒子の粒径の間には,次のような関係があった. (1)アナタース型結晶の粒径66nmおよび52nmの試料では,光励起後1ピコ秒以内に電子に由来する波長950nmでの吸収強度が消失した.これに対し,粒径15nmの試料では,同じ波長での吸収強度が数十ピコ秒後も観測された. (2)ルチル型結晶の粒径69nmおよび71nmの試料では,光励起後0.2ピコ秒以内に波長950nmでの吸収強度が負になった.これに対し,粒径25nmの試料では,同じ波長での正の吸収強度が数十ピコ秒後も観測された. (3)混合型(P-25)の試料中のアナタース型結晶の粒径は30nmであった.この試料では,波長950nmでの吸収強度が数十ピコ秒後でも観測された. 今年度の研究で,酸化チタン微粒子中でのキャリア動力学が結晶型や粒径に依存して大きく変化する様子をフェムト秒の時間領域で直接観測することができた.光触媒反応の出発点でもあるキャリアの生成および減衰過程に対する基礎的理解の基盤となる実験結果を提供できた.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)