有機色素と無機半導体を複合化したLB膜による階層型光電子移動系の構築
Project/Area Number |
17029025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宇佐美 久尚 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60242674)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 光電子移動 / LB膜 / ナノ積層膜 / 人工光合成 / 有機無機複合体 / 半導体ナノ薄膜 / 半導体 / 有機・無機複合膜 / ルテニウム錯体 / ビオロゲン |
Research Abstract |
有機色素と酸化モリブデンゲル(MO)を複合化した有機/無機複合LB膜を作製し、ナノスケールの有機無機ハイブリッド多層膜を得た。有気層としてジアルキルルテニウム錯体(RCnRu)、ジアルキルビオロゲン(DCnV)、ジアルキルジメチルアンモニウムイオン(DCnA)を用いると、一辺1μmの正方形の領域で最大表面粗さ0.5nmとなる平滑な膜が得られた。亜鉛ピリドポルフィラジン(ZbPyPc)/MO複合膜の場合には色素の会合体を生じやすく、表面の粗さは3nmとなった。しかし、表面粗さは分子一個分の大きさであり、本質的に欠陥の少ない平滑な多層膜と考えられる。 DCnA/MO複合膜に断続的な励起光を照射して電気化学測定を行い、アノーディックな光電流を観測した。測定条件化でDCnAが光電気化学的に不活性であることから、酸化モリブデンゲル層がn型半導体的な性質を持ち、伝導帯準位が-0.7V vs Ag/AgClと見積もられた。DCnRu/MO/DCnV/石英導波路の積層順の複合LB膜を作製し、この膜のDCnRu側に犠牲的電子供与体としてトリエタノールアミン(TEOA)水溶液を接触させ、450nmの青色光を照射すると、積層方向の電子移動によりビオロゲンラジカルカチオンを生じることを吸収スペクトルから明らかにした。逆の積層順序では光照射後もスペクトル変化が無いことから、異方的な電子移動が起こることを明らかにした。また、ZnPyPcを増感剤層としてZnPyPc/MO/DCnV/石英導波路のような複合膜を作製し、640nmの赤色光の照射により、同様の異方的な光電子移動を確認した。これらを組み合わせることにより、多段励起の光電子移動システム、すなわち、人工光合成モデルの可能性を示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)