Project/Area Number |
17029037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 隆之 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 康浩 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助教授 (70343259)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ナノ粒子 / ナノ細孔 / 光触媒 / 光機能材料 / 有機合成 / 酸素化反応 / 光化学反応 / 発光型分子デバイス / 水素生成 |
Research Abstract |
孤立4配位構造を有するチタンを含有するシリカを、オレフィンを溶解させたアセトニトリル(AN)に懸濁させ、分子状酸素の存在下で光照射を行うと、オレフィンの光エポキシ化が高選択的に進行することを見出した。本触媒上では、光励起されたチタン酸化物種が酸素分子と反応してO_3・^-層ラジカルを生成し、これがオレフィンと反応することでエポキシドを生成する。ところが、通常の光触媒系では、光励起されたチタン酸化物種は同時にオレフィンの水素を引き抜きオレフィンラジカルを生成するため、ケトンやアルコールなどを副生してしまう。ANは光励起されたチタン酸化物上に配位してオレフィンのアクセスを抑制し、オレフィンラジカルの生成を抑制する一方、O_3・^-ラジカルの直接付加によるエポキシドの生成は妨害しない。ANによるこの「活性点の選択的なシールド効果」により、選択的なエポキシド生成が可能となる。さらに、半導体光触媒を用いて異性化オレフィンを反応させるとcis-およびtrans-エポキシドの混合物を与えるが、本反応系においては原料オレフィンの立体配座を保持した純粋なエポキシドを合成できた。 温度により構造を変化させる感温性高分子ポリN-イソプロピルアクリルアミドに増感剤(ベンゾフェノン)を固定化した高分子光増感剤を用いて、フェノールの酸素化反応を水中で酸素存在下、種々の温度で行った。この高分子光増感剤は低温では柔軟な開いた構造をとる一方、温度上昇に伴い凝集した構造をとる。疎水性ドメインを形成する20℃前後において、酸素化生成物(p-ベンゾキノン)収率が大きく増加することが分かった。これは疎水性環境下では酸素化反応に関与する^1O_2の寿命が長くなるためである。さらに温度を上げると、より凝集した疎水性コアによりフェノールが排除されるとともに^1O_2の拡散が抑制され、収率は低下する。このように、温度によって反応速度を可逆的に制御できるほか、反応後の温度上昇による凝集による増感剤の簡便な回収・再利用が可能となった。
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