Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
色素増感太陽電池の変換効率向上には、光をなるべく多く受けるための酸化半導体膜の高表面積化、色素と電解質溶液問の酸化還元反応を円滑により多く起こすための酸化半導体膜の多孔質化が重要となってくる。本研究ではその2つの機能を満たすナノファイバ膜をエレクトロスピニング法を用いることによって作製した。エレクトロスピニング法は高分子溶液に高電圧をかけるだけでナノファイバを作製する技術であり、ナノファイバが次々と折り重なって膜を形成することにより、常温常圧下で簡素なプロセスのわりに高表面積で多孔質なナノファイバ膜を得ることができる。この性質を利用して、高分子溶液と酸化半導体の前駆体の混合溶液をエレクトロスピンすることにより混合ファイバ膜を作製し、高温で焼成することによって高分子を除去し、純粋な結晶酸化半導体膜を得ることができた。この膜を光電極として色素増感太陽電池の特性に及ぼす要因を検討した。酸化チタンナノファイバーはシート状に作製され、その後熱プレスによりファイバーの密度を上昇させることができた。ファイバー密度の上昇とともにルテニウム色素の担持量が増加した。また、作製したナノファイバーシートはセルフスタンディングであるため、FTO基材に載せる酸化チタンナノファイバー電極を1枚から6枚、デジタル的に増加させることが可能となった。作製したナノファイバー電極の焼成後は、X線回折によりアナターゼ型の結晶であることが確認された。熱圧力処理を施すことでファイバの形状を保ちつつファイバ同士を接合させ、膜厚が11.60μmのとき変換効率6.18%の特性を得た。また、エレクトロスピニング溶液中のtitanium tetra isopropoxideの量を減らすことでファイバを細径化し、表面積を上げることで色素の担持量を増加させ、膜厚10.63μmで変換効率6.98%の特性を得た。
All 2006 2005
All Journal Article (10 results)
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