Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
【低光度活動銀河核】XMM-Newton衛星の公開データから、Chandra衛星のデータ等を使い、低光度活動銀河核15個を抜き出し、時間変動解析、スペクトル解析を行なった。これらの天体のX線光度は3x10^<39>-1.5x10^<42>erg/sの範囲にあり、通常の活動銀河核(AGN)より低い。この中で時間変動を有意に検出できたのは、4天体のみであった。この4天体において、時間変動から推定したブラックホール(BH)質量は、他波長で推定した値とほぼ同じであった。また、時間変動の上限値のみ得られた他の天体もNGC3998を除き、BH質量は矛盾していなかった。時間変動ならびに他波長から推定されたBH質量は、NGC4395(2.6x10^4Mo)以外いずれも10^6Mo以上であり、大質量BHを持っているという結果であった。大質量BHを持つ天体のエディントン光度比は10^<-6>から10^<-3>の範囲にあり、通常の活動銀河核(10^<-2>-1)よりも低い。この結果を2006年度日本天文学会秋季年会で報告した。エディントン光度比が低い場合、移流優勢降着流(ADAF)になっており、通常のAGNの標準降着円盤と異なると予想されている。エディントン光度比の違いによるX線帯の性質の違いを調査したが、違いを見つけることはできなかった。【他の活動銀河核とスターバースト銀河の研究】「すざく」衛星が観測した活動銀河核MCG-5-23-16の解析を行ない、広がった鉄輝線を検出した。この鉄輝線の幅から降着円盤がBHの近くまで達していることがわかった(論文2)。また、「すざく」衛星によるスターバースト銀河M82の解析結果、ならびに、Chandra衛星によるNGC1808の解析結果も報告した。両銀河とも超光度X線天体を有しており、BH進化を研究する上で重要な天体である。(論文1、3)
All 2007 2006 2005
All Journal Article (5 results)
Publications of the Astronomical Soc. of Japan 59・SP1
Publications of the Astronomical Soc. of Japan 59・3(In press)
10023945713
The Astrophysical Journal 645(in press)
The Astrophysical Journal 632
Pages: 793-798