マグマ模擬物質の交流浸透率テンソル測定による脱ガス過程の研究
Project/Area Number |
17031009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 了 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 助教授 (30262497)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 雲仙普賢岳 / 脱ガス / 浸透率 / 火道掘削コア / 気泡 / クラック / 火山爆発 / 火山 / マグマ / 爆発 |
Research Abstract |
(1)雲仙火道掘削試料の浸透率測定および組織観察 前年度に構築した間隙圧ステップ法による浸透率測定システムを圧力容器(圧媒体:シリコン・オイル,最大封圧:200MPa)に組み込んで,雲仙掘削試料(2個は火道,2個はその周囲の母岩)の浸透率測定を行った.封圧下での測定から,掘削深度(約1km)における浸透率は10^<-17>m^2程度と推定された.これは脱ガス経路としては,あまり有効に機能しないと考えられる.浸透率の封圧依存性から,空隙のアスペクト比を求めると0.001という小さな値が得られた.また,空隙率と浸透率から空隙サイズを推定すると1μm以下という値が得られた.これらの結果は,浸透率を支配しているのが気泡ではなくクラックであること左強く示唆している.電子顕微鏡画像にも斑晶を横切るようなクラックが認められることから,クラックは十分固化してから生成されたと考えられる.以上のことから,雲仙普賢岳では,マグマが深さ1kmまで上昇してくる前に十分脱ガスが起こっていたと考えられる.掘削試料からメカニズム自体に迫ることはできなかったが,それに対する制約は引き出すことができた.この結果は2006年アメリカ地球物理学連合秋季大会で発表済であり,現在Journal of Volcanology and Geothermal Researchへの投稿に向けて論文を準備中である. (2)アナログ実験による気泡の変形メカニズムの研究 マグマのアナログ物質として選択した水飴を使い,二重円筒型回転式変形実験装置を用いて,歪速度を変えながら,気泡の変形の様子を調べた.その結果,歪速度の増加と伴に気泡は引き伸ばされるが,ある臨界値を境にして気泡が分裂に転じることを明らかにした.剪断応力と表面張力との競合と考えると,この分裂は実際のマグマ中でも起き得ると考えられる.これは日本地球惑星科学連合2006年大会で発表済である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)