Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
火山における爆発発生に至る過程についての理解を進展させるためには,爆発地震が発生する深さについて精度を向上させて求めるとともに,その誤差を評価することが重要である.当該研究は,小規模な爆発が高頻度で発生する諏訪之瀬島の活動火口により近接した位置で連続地震観測を実施するとともに,既に実施された人工地震探査で明らかになった3次元P波速度構造を震源計算に導入することと振動軌跡の解析から,深さの推定とその誤差評価を目的とした. 火口近接観測点の設置は,噴石の飛来による障害発生に適した地形の制約から,火口中心までの距離約600m(火口丘斜面まで約300m)の位置において行い,平成19年7月に完了した.観測点の標高は火口底の推定標高とほぼ同一であると考えられる.観測の結果,同年9月,および11月末〜12月初頭の2回の爆発発生期におけるデータを収録することができた.太陽電池の表面を火口とは逆方向(北東方向)に向けて岩陰に設置するなどを工夫することにより,爆発による観測点の破損を防ぐことができた.また収録用ハードディスクの交換時以外の欠測は無かった. 観測データを処理し,P波到達時刻と人工地震探査による3次元P波速度構造を用いて震源計算を行った結果,爆発地震の初動(以前の諏訪之瀬島火山における観測研究で明らかになった"パルス的な押し波":体積膨張)は海水準前後で発生することが分かった.ただし,震源計算にウエイトの大きいカルデラ壁上の他観測点が,噴火により障害を受けて欠測し,データが取得されなかったため,深さの誤差範囲は約200〜300mと大きい.振動軌跡からも爆発地震の発生深さの範囲は幅をもっていることが推定された.
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