タンパク質結晶-容液界面におけるタンパク質1分子の吸着・脱離・拡散ダイナミクス
Project/Area Number |
17034007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60261509)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 可視化 / 結晶成長 / 自己組織化 / 表面・界面物性 / タンパク質 / 吸着・脱離 / 表面拡散 / 1分子観察 / 固液界面 / 吸着 / その場観察 / ステップ前進 / 全反射型近接場顕微鏡 |
Research Abstract |
リゾチーム(モデルタンパク質)結晶表面上での蛍光ラベル化リゾチーム(F-L)と蛍光ラベル化リゾチームダイマー(F-D)の吸着過程を1分子その場観察するとともに,リゾチーム結晶表面上の分子(単位)成長ステップの挙動をその場観察した.その結果,個々の分子の吸着・脱離過程が結晶-溶液界面に特有な描像を示すこと,およびそれらに対して結晶表面上の分子成長ステップが顕著な応答を示すことを見いだした. 1)吸着・脱離過程のダイナミクス 平衡状態に保ったリゾチーム正方晶系結晶{110}面上での個々のF-L分子の吸着・脱離過程を1分子その場観察し,F-Lが結晶表面上のテラスではなくステップに選択的に吸着することを明らかにした.また,吸着はある待ち時間(誘導期)を経た後に急激に進行すること,および結晶表面上での滞在時間が長い分子ほど吸着速度が速いことを見いだした.これらの結果は,吸着が1つの素過程で進行するのではなく,多段階の逐次的な素過程を経て徐々に進行することを示す.現在のところ,タンパク質分子表面に強く吸着した水和水の脱離過程がこの多段階素過程にあたると推測している. 2)分子成長ステップの応答 溶質分子と構造が類似したタンパク質(F-L)は目的タンパク質結晶表面のステップに吸着するが,分子サイズの差異が大きくなると(F-D)テラスに吸着することを見いだした.また,吸着サイトが異なると,分子ステップの前進速度の過飽和度依存性に大きな差が現れることを見いだすとともに,この違いを吸着サイトに基づき説明することに成功した.さらに,結晶表面上に吸着したこれらのタンパク質は,低下飽和度下では結晶表面上での不均一2次元核形成を顕著に促進することを見いだした.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)