近接場光学顕微鏡による高密度高分子グラフト鎖の構造・ダイナミクス評価
Project/Area Number |
17034027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 裕之 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90343235)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 近接場光学顕微鏡 / 共焦点顕微鏡 / 蛍光偏光解消法 / 時間相関光子計数法 / 分子運動 / 高分子ブラシ / リビングラジカル重合 / グラフト重合 |
Research Abstract |
固体基板上に高密度にグラフト重合したポリメチルメタクリレート(PMMA)鎖の局所運動性を蛍光偏光解消法によって評価した。蛍光色素であるペリレンによって標識されたグラフトPMMAを、様々なグラフト密度となるようリビングラジカル重合法により作製した。このようなグラフトPMMAに対して、種々の膨潤溶媒中における鎖セグメントのナノ秒ダイナミクスを計測したところ、グラフト密度0.2chain/nm2以下の領域では、セグメントの運動性は溶媒に強く依存し、良溶媒中で高い運動性を示し、溶媒能が低下するほど運動が遅くなることが分かった。これは溶媒によってグラフト鎖のコンポメーションが変化するためであると考えられる。貧溶媒となるほど鎖は収縮した形態をとるため、分子内・分子間の立体的相互作用によって分子運動が遅くなる。一方、グラフト密度0.4chain/nm2以上の高密度グラフト鎖では、分子運動性に溶媒依存性が見られなかった。高密度領域においては、グラフト鎖同士が密に存在しているため、鎖間の立体反発によって、乾燥状態においても伸びたコンポメーションをとっている。グラフト鎖のコンポメーションはこのような鎖間相互作用による影響が強く受けるため、膨潤溶媒能に対する依存性は大きくないと考えられる。そのため、良溶媒および貧溶媒中において鎖のダイナミクスは変化しなかったものと考えられる。またグラフト鎖の固定末端および自由末端のみを選択的に蛍光ラベルすることによって、鎖上の特定部位のみの運動性を評価した。その結果、固定末端から自由末端に近づくにつれてセグメントの運動性が向上した。これは基板からの鎖のセグメント濃度プロファイルと良い相関を示しており、鎖の運動性には局所的なセグメント濃度が大きく影響することが分かった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)