Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
さまざまな機能性高分子が創造され,実用化されているが,現在,外界からの熱刺激に応答機能を持つ感熱性高分子として最も注目を浴びているのはN-イソプロピルアクリルアミドポリマー(PNIPAM)とその仲間であろう。架橋構造を持つPNIPAMハイドロゲルは,相転移温度(約34℃)を境に低温側で膨潤,高温側で収縮するという興味深い性質を示す。近年,このような性質をもつ感熱応答性高分子ハイドロゲル微粒子が注目されている。私たちは,感熱応答性高分子の水溶液やハイドロゲルの応答挙動ならびに蛍光ラベル法によるミクロ環境の研究を展開してきた。本研究では,蛍光ラベルした感熱応答性ナノ高分子ハイドロゲル微粒子を種々の条件で合成し,その感熱応答挙動やミクロ環境変化を種々検討すると共に,増原研(A01班)との共同研究のもと,顕微鏡下,レーザー光によるゲル微粒子の光圧トラッピングおよびその分光蛍光測定により,感熱応答性ハイドロゲルの単一微粒子のダイナミクスとミクロ環境変化の解明を試み,以下の研究成果を得た。 (1)蛍光プローブでラベルした感熱性高分子ゲル微粒子の合成とその応答挙動の研究においては,数種の蛍光プローブでラベルしたPNIPAMに加えて類似構造をもつ数種の高分子ハイドロゲル微粒子を合成し,その感熱応答挙動ならびに応答に伴うミクロ環境の変化を検討した。また,これらのゲル微粒子系では,数℃の温度変化で蛍光強度が数倍から約10倍大きくなることから蛍光性温度センサーとしての応用を示した。 (2)単一ゲル微粒子のレーザートラッピングとその蛍光分析の研究においては,顕微鏡下,蛍光プローブでラベルしたPNIPAMに加えて類似構造をもつ数種の高分子ハイドロゲル微粒子の光圧トラッピングおよびその蛍光測定に成功した。いずれの系においても蛍光極大波長における蛍光強度は,トラッピングレーザーの照射時間に対して,ゲル微粒子がトラップされることにより段階的に増加する様子が認められた。PNIPAMハイドロゲル微粒子のトラップ直後の蛍光強度の増加には,溶液温度約32℃を境に顕著な差異が認められるとともに,トラップ光強度依存性が認められた。
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