Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
銅イオン交換MFI型ゼオライト(CuMFIと略記)は,室温でさえ窒素分子を吸着したり,NOの分解反応に対して高い触媒活性を示す興味深い物質である.しかし,これらの現象におけるCuMFI中の活性サイトの状態については何もわかっていない.この点を解明するためには,これらの過程における活性点と推定できる一価の銅イオンについて,そのイオン交換サイトの状態を解明する必要がある.しかも,一価の銅イオン交換サイトは一種類ではない.通常のX線吸収端微細構造(XAFS)解析法はCuMFI中の銅イオンの状態解析法として有効な方法である.しかし,XAFS法といえども,銅イオン周りの平均構造を捕らえているのみである.これらの点を考慮し,CuMFI中の特定の活性サイトの状態解析を行うためには,サイト選択的状態解析法を確立する必要がある.我々は銅イオンをX線で励起し,その種から発光される可視光(ある特定のサイトからの発光のみ)を観測することによって,サイト選択的状態解析が可能であり,その方法の有用性を確立することを目指した(この方法を光検出XAFS法という).その結果,CuMFI中には主として二種類のイオン交換サイトが存在し,それぞれのサイトに形成されたCu^+による発光バンド(可視光領域)が観測される.それぞれのバンドに対応した光検出XAFS測定により,それぞれのサイトに存在する銅イオンが二配位,三配位構造をとることを明らかにできた.このサイト選択的構造解析法は,サイト選択的状態解析法の一つとして重要な方法であることを明らかにできた. また,その研究過程で,この試料が室温で酸素分子と特異的に相互作用することを見いだしたので,時間分解XAFS法を利用し,この反応過程の解析も試みることにした.現在,その方法での実験を進行中である. 本研究を基礎として,これらの方法が確立できれば,触媒研究分野に,これらの新しいXAFS法を利用した解析法を提案できると考えている.
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