光ピンセットを利用した浮遊ES細胞の単一細胞計測による分化誘導ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
17034048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 昌浩 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (60243903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松根 英樹 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (10380586)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 光ピンセット / ES細胞 / 浮遊培養 / 単一細胞計測 / 動的形態変化 / 増殖能 / 表面修飾ナノ粒子 / 分化 / レーザートラッピング / 細胞分裂 / 顕微観察 |
Research Abstract |
本研究課題は光ピンセットを用いて細胞を浮遊させ,そのまま培養および分析を行う新しい計測手法の構築,ならびに本手法を用いた細胞特性の解明を目的とした。 1.浮遊単一細胞計測システムの構築およびES細胞のダイナミクス観察 浮遊単一細胞計測のために新規システムを独自に構築した。具体的には,顕微鏡とレーザーを組み合わせて光ピンセットを作製した。また顕微鏡上で細胞培養でき,かつ培地交換ができるよう設計したフローセルを作製した。長期間観察のためにCCDカメラを取り付けパソコンで画像を解析した。本システムを用いて光ピンセットで捕捉した未分化ES細胞を調べた。その結果,細胞は培養皿上で示す様子と同様に,浮遊した状態でも仮足を出し入れしてダイナミックな形態変化を示すことが分かった。さらに約12時間後,細胞が分裂する様子が観察され,光ピンセットによる捕捉状態でも細胞が生存可能であることが分かった。 2.単一細胞計測によるES細胞の動的形態変化と細胞機能の関関係の解明 ES細胞の動的な形態変化を詳細に調べた結果,形態変化の程度が大きい細胞ほど機能が高いことを初めて見出した。特に,培養初期段階の動的形態変化が大きいものは寿命が長いことが明らかとなった。細胞懸濁液からランダムに40個サンプリングしそれぞれ1分間ずつ顕微鏡で観察して形態変化の大小を調べ,懸濁液中の形態変化の大きい細胞の割合αを求めた。次に細胞を培養して72時間後の細胞数を計数し細胞増加率R_<0→72>を調べた。同様の操作を多数のサンプルで繰返してαとR_<0→72>の関係を調べた。その結果αとR_<0→72>は比例関係にあることが分かった。さらに詳細に解析すると,形態変化の大きい細胞は増殖するが形態変化の小さい細胞は死滅する傾向にあることが分かった。これは染色剤による前処理を必要とせず,1分間観察するだけでその後の細胞の寿命を予測することができることを意味する。 3.表面修飾粒子の合成 本システムにおいて2本の光ピンセットをそれぞれ独立に操作することによって、外的物質との接着が細胞の成長や分化に及ぼす効果を調べることができる。本研究では物理的および化学的相互作用が細胞に及ぼす影響を調べる目的として,形状が複雑なシリカ構造体および生体分子で被覆したシリカ粒子を化学的に合成した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)