隠された対称性を利用した合成ルートの構築:多環式神経細胞作用分子の全合成
Project/Area Number |
17035009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 将行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70322998)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | メリラクトンA / リアノジン / 全合成 / 多環式構造 / 四級炭素 / 分子内反応 / 神経突起伸展活性 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
本年度は、高度に酸化された四級炭素を多数含み、複雑な縮環骨格を有する二つの天然有機化合物[メリラクトンA(1)、リアノジン(2)]の不斉全合成を目的とした。我々は、隠された対称性を最大限活用した合成ルートによる多環状骨格の化学的構築を計画した。鍵反応において8員環の分子内渡環反応による5/5縮環システムの形成を用い、現在までにメリラクトンAの不斉全合成とリアノジン三環性骨格の合成に成功した。 メリラクトンAの不斉全合成:光学的に純粋なγ-ラクトンから[2+2]光環化反応を経て、連続する四級炭素構築した後、二つの一級水酸基に異なる保護基[Bn,2,6-bis(trifluoromethyl)Bn]を有する擬メソ対称8員環ジケトンを合成した。8員環ジケトンの分子内アルドール反応は、生じる四異性体のうち望む異性体を選択的かつ高収率に与え、1の5/5縮環システムが効率的に構築できた。本反応は、合成上必要な保護基の立体環境の差異により、生じる二つの不斉点の立体化学を同時制御する、まったく新しい反応である。さらに得られたコア炭素骨格から、9位四級炭素の構築などの鍵反応を経て、(-)-メリラクトンAの不斉全合成に成功した。 リアノジンの全合成研究:リアノジンコア部のC_2-対称三環性構造の構築に成功した。脱芳香環型Diels-Alder反応により二つの四級炭素を一挙に構築した。その後、C_2-対称中間体へと誘導した。6員環の二方向同時環拡大反応は立体選択的に進行し、8員環が得られた。さらに官能基変換を進めた8員環ジケトンをSml_2で処理すると、C_2-対称5/5縮環システム(トリシクロ[3.3.2.0^<2,6> ]デカン)が構築できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)