Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
ペダンクラリンは,6-アザビシクロ[3.2.1]オクテン骨格に2-インドリルメチル基が置換した構造の抗腫瘍活性インドールアルカロイドであり,我々が先に開発したオキシム誘導体の一電子還元によるラジカル環化反応を鍵として,その合成に成功した。すなわち,ペダンクラリンの母核となる6-アザビシクロ[3.2.1]オクテン骨格を,酸素原子で架橋された構造を持つオキシムの還元的なラジカル環化,引き続く還元的開環反応により構築し,得られる環状イミンから数段階の変換を経て,ペダンクラリンへと導いた。 セファロタキシンはアザスピロノナン骨格を有する,ヒト白血病への高い活性を持つ5環性のアルカロイドである。この化合物を合成するには,スピロ元素でつながったD,E環をいかに構築するかが問題である。この問題に対し,不斉連続型アミノ-Heck反応が実現できれば有効な解決法となると考え,ジエニルケトンオキシムの不斉配位子存在下,Pd触媒を用いる環化を試みた。その結果,70%eeで環化生成物を得ることに成功した。現在,不斉収率の向上を目指し検討を行っている。 さらに,オキシムを用いる光ラジカル環化反応や,遷移金属触媒を用いる環化反応に付いても取り組み,新しい,ピロール合成法やピリジンの合成法の開発に成功した。 ソルダリンは多連続不斉中心を有するアグリコン,ソルダリシンに,単糖がβ(cis)結合している抗真菌活性天然物である。これまでにソルダリシンのラセミ体合成に成功しているが,今回,新たに触媒的な酸化的ラジカル反応を開発し,ソルダリシンの不斉合成に成功した。さらに,遠隔立体制御法をデザインして糖部分を導入し,ソルダリンの初の全合成を達成した。
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