NMRを用いた生体機能分子・標的蛋白質複合体の相互作用解析法の開発
Project/Area Number |
17035020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂倉 正義 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20334336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 核磁気共鳴法 / 蛋白質 / 相互作用解析 / 糖鎖 / レクチン / 交差飽和法 |
Research Abstract |
【目的】既存の分子を超える高機能性分子を設計・合成するためには、リガンド分子が標的蛋白質のどの部位と相互作用しているかを、原子レベルで理解する必要がある。多数の合成リガンド化合物について、標的蛋白質との相互作用解析を行うにはNMR法が有効であるが、従来までの化学シフト変化を指標とした解析法では、リガンド結合部位を正確に決定することが困難であった。本研究においては、標的蛋白質上における低分子リガンド化合物の結合部位を正確に決定する手法の確立を目的として、核スピン間の距離に依存する双極子相互作用を利用した、交差飽和法を用いた蛋白質-低分子リガンド複合体の相互作用解析を行った。 【結果】レクチンの一種であるmMGL1とリガンド糖(Le^x)の相互作用系を解析対象として、交差飽和実験を行った。一般に、低分子リガンド化合物は回転相関時間が短いため、核スピン緩和の効率が低く、リガンド分子内における分子内スピン拡散効率が低い。そこで、mMGL1-Le^X複合体に対して交差飽和実験を適用する場合に最適な、スペクトル測定温度、飽和周波数領域、飽和時間等の実験条件の探索を行った。この結果、Le^x飽和に伴い、mMGL1由来シグナルの強度減少が観測される条件を見出した。Ala89,Trp96など7残基において、Le^x飽和に伴うシグナル強度減少が観測された。 【考察】Le^x飽和に伴い、シグナル強度が減少した残基をmMGL1の構造モデル上にマッピングした結果、mMGL1は、3糖から成るLe^xのうちの2糖と相互作用を形成することが示唆された。生体においてLe^xが糖鎖末端に発現する場合、GalおよびFucが、糖鎖末端に露出する。従って、交差飽和法により得られたmMGL1上のLe^x結合部位は妥当であり、本法により、蛋白質-低分子リガンド複合体の相互作用部位を正確に決定できたと結論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)