核内情報伝達ネットワークを制御する脂溶性低分子化合物に関する研究
Project/Area Number |
17035024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
影近 弘之 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (20177348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 智也 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 助手 (20396980)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | レチノイド / 核内受容体 / アンタゴニスト / バーチャルスクリーニング / RAR / KLF5 / ビタミンD / カルボラン |
Research Abstract |
本研究課題では、核内受容体機能を特異的に制御する分子を創製することによって、核内情報伝達ネットワークの解明を目的とし、これらが関与する疾患の新たな治療薬開発の基盤とするものである。本年度は以下の項目について検討し、新規化合物を得た。 1)新規レチノイドアンタゴニストの創製:市販品データベースを用いたバーチャルスクリーニングによって得られたリガンド候補化合物の構造吟味から、レチノイド構造の脂溶性部位にトリフルオロメチル基を持つ新規レチノイドアンタゴニストを見いだした。これまでのアンタゴニストが脂溶性部位にダイアマンタンやカルボランなどの嵩高い置換基を持ち、受容体の活性化構造を阻害するものであるのに対して、比較的小さいトリフルオロメチル基を持つアンタゴニストは、コファクターや組織依存的な作用を発揮する可能性があり、今後、様々な細胞系で作用特性を検討する予定である。 2)レチノイドによる転写因子KLF5機能の制御と心血管系疾患への応用:本研究者はAm80などの合成レチノイドが核内受容体RARを介して転写因子KLF5の機能を制御する事を見いだしている。この作用機序を詳細に解析し、Am80がKLF5の発現ならびに転写活性を抑制することにより、動脈硬化症や心肥大、再狭窄などの疾患モデルマウスに対して治療効果をもたらすことを見いだした。 3)カルボラン含有ビタミンD受容体アゴニストの創製:これまで知られているビタミンD誘導体のほとんどは内因性リガンドの持つseco-ステロイド骨格への部分修飾体である。本研究では、ビタミンDのCD環をカルボランに代替した化合物を設計、合成し、天然のビタミンDに匹敵するビタミンD受容体アゴニストの創製に成功した。本化合物は受容体との相互作用様式も従来のリガンドと異なると予想され、今後、更なる構造展開とともに、多様なビタミンD作用の分離を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)