新規エナンチオ選択的触媒反応を基盤とする高効率カスケード型反応の開発
Project/Area Number |
17035049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90205831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50324851)
松井 嘉津也 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助手 (70397751)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | カスケード型反応 / 多環式複素環化合物 / イソオキサゾリン / SPRIX / アミノカルボニル化反応 / スピロ / イソオキサゾール / コンビニナトリアル合成 |
Research Abstract |
申請者の開発したPd-SPRIX触媒を用いるとアルケニルアルコールの不斉カスケード型環化反応が進行し、一段階で光学活性二環式化合物が得られる。また、スルホニルアミドおよびスルホニルウレアを基質とする不斉アミノカルボニル化反応を促進する。興味深いことに、これら不斉カスケード型反応は、現在までのところ申請者の開発した配位子以外では反応が進行しないか、進行してもエナンチオ選択性が見られない。特異な本カスケード型反応を基盤に、複雑な骨格の天然物及びその類縁体となる多環式複素環化合物の効率的不斉合成研究を行った。 1.ザラゴジン酸骨格の一段階合成研究 ザラゴジン酸類は、ピコグラムでスクワレン合成酵素を阻害する真菌代謝産物である。ザラゴジン酸誘導体の一段階合成に向け、鍵となる不斉カスケード型環化反応を効率的に促進する新規光学活性スピロ型配位子をコンビナトリアル合成し、その触媒活性を評価した。その結果、既に報告しているPd-i-Pr-SPRIX触謀よりも高選択的にタンデム境化体を与える新規光学活性スピロ型配位子の開発に成功した。 2.(+)-カスタノスペルミン骨格の一段階合成 (+)-カスタノスペルミン類は、αおよびβ-D-グリコシターゼに対して強い阻害作用を示す。効率的不斉合成の鍵となるPd-SPRIX触媒によるアミノカルボニル化反応は定量的に進行するものの、不斉収率は最高60%eeであった。効果的な不斉合成反応系の構築を目指して条件の最適化を検討した結果、[Pd(CH_3CN)_4](BF_4)_2とi-PrSRPIXから調製したルイス酸性の高い不斉Pd触媒を用いることで化学収率92%、不斉収率86%eeで二環式含窒素化合物が合成できた。尚、本生成物は一回の再結晶するだけで99%ee以上の純度で単離可能であった。X線結晶構造解析およびNMR実験から、反応系内では、まずPd:SPRIX=1:2の錯体が生成するものの、COのPd金属への配位でPd:SPRIX=1:1錯体が発生し、この1:1錯体が反応活性性種であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)