Project/Area Number |
17035050
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 ゆかり 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00362616)
田中 克典 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00403098)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | 複合糖質 / 免疫増強作用 / 受容体 / 化学合成 / リポ多糖 |
Research Abstract |
グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)について、その受容体であるToll様受容体4(TLR4)/MD-2複合体との相互作用を解析し、受容体機能を制御する分子を創製することを目的として以下の研究を行った。 LPSはリピドAにKdoと呼ばれる酸性糖を介して多糖が結合した複雑な構造を有している。 我々はKdo2残基とリピドAからなる大腸菌Re-LPSの合成に成功し、Kdoが免疫増強作用を強めることを明らかにしていた。一方テトラアシルリピドAはヒトにおいてはアンタゴニスト作用を示す。これにKdo2残基が結合したペスト菌(Yersinia pestis)LPS部分構造もアンタゴニスト作用を示し、Kdo残基は活性強度には影響しないことを明らかにした。この結果はペスト菌LPSが自然免疫を活性化しないことを意味しており、その病原性と深く関連していることが示唆される。 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、胃や十二指腸潰瘍の起炎菌として有名である。そのリポ多糖(LPS)は、大腸菌のLPSに比べると弱いものの、免疫刺激活性を持つ。本研究では上図のR=HであるリピドAとKdo-リピドAを合成した。これらは生合成前駆体型リピドAと比較すると活性はかなり弱いものの、リポ多糖に対するアンタゴニストとして作用することを新たに見出した。またこの場合はKdoが結合することによりアンタゴニスト作用が増強されたが、ピロリ菌リピドAには4'-リン酸基が存在しないため、Kdo残基はその補償として作用したものと考えられる。 その他にも、種々の類縁体を合成し、マイルドな活性を示すアゴニスト、新規なアンタゴニスト等を新たに見出した。
|