淡水藻類の細胞分裂形態変化を与えるアレロケミカルの探索と分子機能解明
Project/Area Number |
17035058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大井 高 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (00203696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠見 武徳 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70015882)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | ミジンコ / イカダモ / カイロモン / 形態変化 / 硫酸エステル / 絶対配置 / プランクトン |
Research Abstract |
水域の食物連鎖において一次生産者である植物プランクトンは生態系を支える大きな役割を果たしている。近年,捕食者に対してほとんど無抵抗であると考えられてきた植物プランクトンも様々な戦略を捕食者から身を守っていることが明らかになってきた。湖沼などで普通に見られる淡水産緑藻イカダモScenedesmusは単細胞型から2,4または8細胞からなるコロニーへと自らの形態を変化させ捕食者であるミジンコDaphniaに抵抗している。これはイカダモが捕食者であるミジンコ由来の何らかの化学物質(カイロモン)を感知した結果である。単細胞緑藻Scenedesmus gutwinskii var.heterospina(NIES-802)の形態変化を10^<-1>-10^3ng mL^<-1>の低濃度で引き起こすDaphniaカイロモンの同定に成功した。S.gutwinskiiに対する形態変化活性を指標に冷凍ミジンコ10kgのメタノール抽出物の分画を行い活性物質として脂肪族硫酸エステル類を単離した。当初,単離された化合物はナノモルという低濃度で活性を示したことから合成を行い活性を調べた。しかし合成品の活性は天然物に比べて低い値を示したため,分画を精査した結果さらに強力な活性物質が単離された。特に最も強い活性を示した化合物について合成品を用いて詳細に形態変化活性を調べた結果0.1 ng mL^<-1>という低濃度でもミジンコ飼育水(10%,v/v)に匹敵する活性を示した。さらに成分を精査し脂肪族硫酸アミド類も含め合計23種の化合物を同定した。これらのうち18種は新規物質であった。これら活性化合物には不斉メチル基を有するものもあることから絶対配置の決定を試み,MTPA,NMA,大類試薬などの不斉認識試薬を駆使することにより極微量で決定した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)