可変的骨格構築法によるガンビエロールの合成と構造活性相関研究
Project/Area Number |
17035083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
森 裕二 名城大学, 薬学部, 教授 (40121511)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | ポリ環状エーテル / 合成 / 神経毒 / ガンビエロール / オキシラニルアニオン / 還元的エーテル化 / ポリエーテル |
Research Abstract |
ガンビエロールは,食中毒シガテラの原因である有毒渦鞭毛藻Gambierdiscus toxicusの培養藻体から単離構造決定された海洋産ポリ環状エーテル毒である。マウスに対する最小致死毒性はMLD_<50>50μg/kgで強い神経毒作用を有し,その中毒症状がシガテラの主要原因毒であるシガトキシンによるものと類似していることからガンビエロールのシガテラ中毒への関与も示唆されている。G.toxicusは強力な神経毒シガトキシンやマイトトキシンを生産する渦鞭毛藻でもある。最近,ガンビエロールがブレベトキシンの電位依存性ナトリウムチャネルへの結合を弱いながら競争阻害することも明らかにされるなど,その活性発現機構の解明に関心が持たれている。しかし,天然からは極微量しか得られないことや渦鞭毛藻の培養生産性が遅いことから,天然物による構造活性相関研究を行うことは困難な状況にある。そのため,化学合成による類縁体も含めた試料の供給が望まれている。このような背景のもと、ポリ環状エーテル神経毒ガンビエロールの合成研究を実施した。 ガンビエロールは6個の6員環エーテルと2個の7員環エーテルから構成されている8環性のポリ環状エーテルである。独自に開発したオキシラニルアニオン戦略による骨格構築法の考えに沿ってガンビエロールを8個のビルディングブロックから合成する計画を立案した。本年度の研究では、ガンビエロールの左半分に相当するABCDフラグメントの合成を検討した。最初にエポキシスルホンから発生させたオキシラニルアニオンを用いる合成法でD環を合成したのち、再度エポキシスルホン由来のオキシラニルアニオン合成法によってCD環を合成した。次いで、ヒドロキシ-ビニルエポキシドの6-エンド閉環反応でB環を構築し、ジチアンとエポキシドのカップリング反応、ヒドロキシケトンの還元的エーテル化反応などを行ってAを構築した。以上のように、D→C→B→A環の方向へ順に環を伸長させることによりガンビエロールのABCD環フラグメントを合成することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)