レドックス活性多核錯体を単位とする分子性ヘテロポテンシャル場の形成と界面特性制御
Project/Area Number |
17036002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 正明 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (90260033)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | レドックス活性 / 金電極 / ルテニウム三核錯体 / ルテニウム二核錯体 / ヘテロ型積層体 / プロトン共役電子移動 / ポテンシャル勾配 / 界面電子移動 |
Research Abstract |
レドックス活性な分子ユニットを電極基板表面へ三次元的に配列・積層化することにより、ナノスケールの界面電子移動や物質輸送を可能とする配位空間を構築することができる。任意の分子ユニットを所望の数や組み合わせで積層化する方法論を確立できれば、種々の機能や反応部位が組み込まれた構造体を構築できると期待される。本研究では、電子移動特性に優れるオキソ架橋ルテニウム三核錯体とプロトン共役電子移動反応を示すことが知られるオキソ架橋ルテニウム二核錯体を段階的に連結することで、金電極表面にヘテロ型のポテンシャル制御空間を構築することを目的とした。固液界面における配位子置換を駆動することにより、ヘテロ型の三核-二核積層体を構築することに成功した。ここで各錯体ユニットは4,4-ビピリジンにより連結される。pHを調節した支持電解質溶液を用い、表面固定錯体の酸化還元反応を調べたところ、酸性では二核ユニットが三核ユニットに先行して還元され、pHの上昇に伴い二核ユニット由来の波のみが負側へシフトする結果、アルカリ性では酸化還元の順序が逆転した。すなわち溶液のpH制御によりポテンシャル勾配を可逆的に逆転できる配位空間を基板表面に構築することができた。界面電子移動に及ぼす架橋配位子の影響を調べるため、長さ、π共役性、フレキシビリティの異なるピリジル系二座配位子を導入した二核錯体を種々合成し、連結型二分子層を構築し酸化還元応答性を調べた結果、先のビピリジン連結系と類似の傾向を与えるCV応答を示した。この結果は、界面電子輸送における配位子の選択の自由度が極めて高いことを意味しており、電子移動配位空間の設計に対して重要な指針を提示することができた。その他、ルテニウム三核錯体単分子層について、COやNOの可逆的な吸脱着を基板電位規制で実現し、CVとIRによりリアルタイム観測することに成功した。さらに、光誘起CO脱離を観測し、O脱離反応速度の照射光強度依存性、照射光波長依存性、基板電位依存性、光電流発生について詳細に明かとした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)