Project/Area Number |
17036009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 正規 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30247217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90209065)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 自己集合性錯体 / その場観察 / ベンザイン / X線結晶構造解析 / 結晶相光反応 / ナノ空間 / 超分子 / ホスト-ゲスト |
Research Abstract |
これまで様々な有機-無機ハイブリッド包接化合物が合成され、多様な基質を用いて選択的ゲストの包接や反応などが研究されてきた。最近ゼオライトのような細孔性材料には見られないような特性が見出されてきている。さらに精密な分子設計を行うためには、柔軟な配位空間の特異性の起源を原子レベルで検討する必要がある。本研究では、通常X線回折により直接観察することが困難な光化学反応をとりあげ、「超分子化学」的アプローチを適用したX線回折によるその場観察により、自己集合性中空錯体が有する孤立した配位空間の特異性について検討することを目的とした。具体的には、M6L4組成で表される自己集合性かご状錯体をホストとして用いて、ベンザイン前駆体であるベンゾシクロブテンジオンをゲストとして包接させ、X線構造解析を行ったところ、カルボニル基が配位子に近接するようにゲスト4分子が包接されることが明らかとなった。その単結晶に436nmの光を照射したところ、100%反応がすみやかに進行した。X線構造解析法により光照射前後での構造変化を観察したところ、6員環とそれに近接して2原子分子が生成していることを明らかにした。ここで特筆すべきことは、通常436nmの照射波長ではケトン体しか生成しないはずなのに、前駆体から2つのカルボニル基が脱離した歪んだ6員環が生成していることである。これはかご状錯体の配位空間が有する特異な電子的性質に起因する光反応であり、今までに前例がない。この反応は、光照射によりゲストからホストへの電子移動が伴うことにより進行したと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)