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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究者は、集積することによって特有の発光を示す白金(II)錯体を基盤にして、特定の有機ベイパーに感応して発光の可逆的なON-OFFを示す白金複核錯体や,多彩なクロミズムを示す白金単核錯体等を見出してきた。これらの化学的刺激応答メカニズムを詳細に解明するとともに,応答空間を制御した高感度,高選択的な「化学的刺激応答発光性白金錯体」の構築をめざし,以下の研究を行った。 1.三次元ネットワーク構造を形成するジシアノ(ジカルボキシ)ビピリジン白金錯体の著しいベイポクロミズム. 超分子シントンとして有用なカルボキシル基とシアノ基を含む白金(II)錯体,[Pt(CN)_2(dcbpy)](dcbpy=4,4'-dicarboxy-2,2'-bipyridine)は,pH等の結晶化条件によって白〜黄〜赤〜青〜紫と非常に多彩な形態が現れる。クロミズムの要因や条件を詳細に検討したところ,新たに,この錯体が様々な有機ベイパーに対して異なる発色・発光変化(ベイポクロミズム)を示すことを見出した。この要因について構造化学的に考察した。 2.ピリジンチオラト架橋ビピリジン白金複核錯体結晶のベイポクロミズムと連動したダイナミックな構造変換. 白金複核錯体syn-[Pt_2(bpy)_2(pyt)_2]^<2+>(bpy=2,2'-bipyridine, pyt=pyridine-2-thiolate ion)のPF_6塩結晶は,有機ベイパーに感応して,発光の視覚的なON-OFFを伴うベイポクロミズムを示す。この白金複核錯体のベイポクロミズム機構を解明するために,粉末X線回折,熱測定等によりベイパーの出入りに伴う構造転移について検討するとともに,単結晶X線回折測定において,単結晶-単結晶の構造転移を観測することに成功した。その結果,ベイパー分子の出入りに伴ってdd/ππの相互作用のダイナミックな変換が起こることが明らかとなった。
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