Project/Area Number |
17036045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三吉 克彦 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (60033924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 勉 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70221603)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | PhP-架橋[1]フェロセのファン / 環状ポリフェロセノホスフィンン / 大環状リン配位子 / 光開環反応 / 環状オリゴマー / Ni錯体 / Pd錯体 |
Research Abstract |
フェロセンは、熱的に極めて安定で、かさ高い円筒状の立体環境を有している。また、電子供与性の置換基として用いられるだけでなく、redoxによるスイッチング機能や共役系をとおした導電物性も有しており、building blockとしては、興味ある対象である。一方、ホスフィンのローンペアには金属錯体、有機基、典型元素などバラエティーに富んだものを導入可能である。本研究では,フェロセンの創り出す立体的・電子的環境とリン化合物のもつ多様性を併せもつ配位子として大環状のポリホスフィノフェロセンを取り上げ、その機能性を追及する。 リン架橋[1]フェロセノファンの光開環反応による合成 フェロセンの上下のCp環をリン原子で架橋したPhP-架橋[1]フェロセのファン(1)は、分子内に大きな歪みをもつため反応活性である。1をエーテル中で光照射するとオリゴマー化が進行する。生成物を分離して、2種の2量体と2種の3量体を単離した。X線結晶構造解析の結果より、2種の2量体はsynとantiの立体配座をもつ異性体であることまた、2種の3量体は、C_3およびC_1対称を有する異性体であることがわかった。 syn-2量体を用いた錯体合成 syn-2量体を用いて触媒として利用可能な10族金属錯体を合成した。syn-2量体がNiCl_2に配位した錯体は、平面正方形ではリン上のPh基とCl配位子との間に立体障害を生じるため、四面体型構造をとっていた。一方、平面正方形型しかとらないPdCl_2錯体ではPh基との立体障害のため2つのClは、配位平面からずれていた。これらの構造的特徴は、syn-2量体のつくる立体環境の特異性を示している。すなわち、リン上のPh基がメタルの前面に向かっているため、キレートホスフィンの配位面内の空間が狭められていることを示している。
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