ルテニウム錯体をコアとする人工蛋白質による光電子移動反応制御
Project/Area Number |
17036061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 北里大学, 理学部, 助教授 (30203003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 茂郎 北里大学, 理学部, 教授 (80213619)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 配位空間 / 人工蛋白質 / 非天然アミノ酸 / ルテニウム錯体 / ビピリジン / 光電子移動 / 光機能 / ペプチド |
Research Abstract |
本研究では、金属配位性の非天然アミノ酸である5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸を3残基導入したペプチドを合成し、それをルテニウム(II)イオンと錯形成させることによって、ルテニウム(II)トリス(ビピリジン)型錯体をコアとする光機能性人工蛋白質を合成する。人工蛋白質により形成される配位空間は、ペプチド鎖によって囲まれた特殊な反応場を提供することから、そこに捉えられたドナーあるいはアクセプター分子への電子移動反応速度は、配置空間構造すなわち構成ペプチド鎖の構造によって制御されることが期待される。本年度は、電子移動反応制御に必要な配位空間構造の設計指針を得ることを目的として、主に5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸誘導体のルテニウム錯体の光化学的性質を明らかにするとともに、この非天然アミノ酸を含むペプチドとそのルテニウム錯体の合成を行った。 5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸は非対称なビピリジン誘導体であることから、その六配位トリスキレート錯体には、fac/merという二種類の異性体が存在する。我々は、鉄錯体による研究から、カルボン酸基を二級アミンでアミド化することにより、人工蛋白質のコア構造と同じmer型錯体が選択的に得られることを見出した。また、これらのルテニウム錯体を合成し、fac/mer異性体をHPLCにより分割、単離することに成功した。これまでに、2,2'-ビピリジンの5,5'-位にアミノ基を導入した錯体とカルボン酸基を導入した錯体では、発光特性に大きな違いがあることを見出しているが、アミノ基とカルボン酸基の両方を有する5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸誘導体のルテニウム錯体は、これらの中間の発光特性を示すことを見出した。また、fac/mer異性体間の光物性に大きな差が見られないことを初めて明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)