Project/Area Number |
17038001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷垣 勝己 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (60305612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊代 良太郎 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (00396417)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | クラスレート / フォノン / 超伝導 / IV族元素 / 結晶構造 / 電子物性 / ラットリング |
Research Abstract |
SiとGeは同じIV族元素であるが、これらの元素から形成される多面体構造物質の物性は異なる。例えば、Ba_<24>Ge_<100>とBa_<24>Si_<100>物質は結晶学的に同等な物質であるが、その電子物性は大きく異なる事をみいだしている。本物質系において重要なことは、(1)超伝導転移臨界温度Tcの圧力依存性は、2つの物質では逆である。(2)結晶学的に、ネットワーク構造は2つの物質で同じであるが、クラスタ内部のBa原子のラットリング運動が異なる。(3)得られた物性パラメータは、構造が同じであるとしてSi_<100>とGe_<100>の物性データをスケーリングできない、ことである。この3つの実験事実は、Baのラットリングフォノンが電子物性に大きく関係している可能性を示唆している。同様の研究を、Ba_8Ga_<16>Si_<30>およびBa_8Ga_<16>Ge_<30>に対して、軟X線光電子分光の観点から行ったところ、バンドギャップならびに表面安定性が2つの物質系で異なることを見出した。これは、Si原子を構成要素とする多面体物質は、表面で酸素の影響を受け易いのに対して、Ge原子を構成要素とする多面体物質は表面においても酸素の影響を受け難いという事実に起因していると考えられる。また、熱起電力の温度依存性からもSi多面体とGe多面体では、状況が異なることを確認した。この理由は、多面体骨格の内部に存在するBaの自由度が、カゴ構造を有する多面体の内部空間との関係で、Si物質とGe物質で異なるからであると考えられる。
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