高リチウムイオン伝導体ナノ粒子を利用した遷移金属イオン付活型高強度蛍光体の創製
Project/Area Number |
17041016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
稲熊 宜之 学習院大学, 理学部, 教授 (00240755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 哲裕 学習院大学, 理学部, 助手 (90333020)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 蛍光 / リチウムイオン伝導体 / ペロブスカイト / イオン交換 / 溶融塩 / 遷移金属 / 欠陥 / バンドギャップ / リチウムイオン伝導 / 希土類 |
Research Abstract |
本研究では、イオン交換により合成した(La,M^<2+>)TiO_3(M=Fe,Zn,Mn)の微構造を解析することにより、イオン交換反応機構を解明し、局所構造と物性との関係を明らかにすること、そして希土類元素イオンをドープしたペロブスカイト型イオン伝導体の合成をおこない、それらの発光機構を解明するとともに高強度蛍光体の探索をおこなうことを目的とした。得られた結果を以下に示す。 (1)イオン交換により合成した(La, M)TiO_3(M=Fe,Zn,Mn)の微構造解析 (La,Fe)TiO_3では、TEMによる微構造解析により、結晶粒内にFeが存在し、イオン交換反応が起こっていることが確認できた。Feは粒内に存在している一方、結晶粒界にbcc-Feのナノ結晶が存在し、これが強磁性的挙動の原因であることが示唆された。一方、(La,M)TiO_3(M=Zn,Mn)では、ZnまたはMnは粒界に偏析することなく、イオン交換反応が起こっており、(La,Fe)TiO_3の場合とは交換反応機構に明瞭な違いが生じていることが明らかになった。 (2)Prをドープしたペロブスカイト型リチウムイオン伝導体の合成と発光機構の解明 Ca_<0.6>Li_<0.3>Ti_<0.5>Ta_<0.5>O_3:Pr(CLLT:Pr)は、母体のバンドギャップに対応する紫外光励起により、強い赤色発光を示した。一方、Sr_<0.6>Li_<0.3>Ti_<0.5>Ta_<0.5>O_3:Pr(SLLT:Pr)においては、母体のバンドギャップ励起による赤色発光よりも、450nm付近のf-f励起による青緑発光が顕著であった。発光スペクトルと格子定数のPr濃度依存性から、CLLT:PrではPr^<3+>イオンはAサイトのみに、SLLT:Prでは大部分はA-siteに、一部はB-siteに存在することが示唆された。このことから母体の結晶構造に加えて、Prの占有サイトが発光特性の重要な支配因子であることが明らかになった。 (3)Prをドープしたペロブスカイト型リチウムイオン伝導体La_<2/3-x>Li_<3x>TiO_3(LLTO):Prナノ粒子の合成と発光特性 クエン酸錯体を用いた錯体重合法により800℃で数十nmサイズのLLTO:Pr粒子が得られることがわかった。焼成温度の上昇とともにバンドギャップ励起に基づく赤色発光強度の増大がみられ、結晶表面の欠陥が発光阻害因子であると考えられた。この欠陥の同定と制御が今後の課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)