準結晶における希土類金属の自己相以的階層構造の実現とその物性研究
Project/Area Number |
17042001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石政 勉 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (10135270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 洋礼 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30284483)
柏本 史郎 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (60329852)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 自己相似構造 / 希土類金属 / 準結晶 / 低温相転移 / クラスター / スピングラス / 自己相似 / 階層構造 / 物性 |
Research Abstract |
1.Cu基3元合金準結晶の発見 Cu_<48>Ga_<34>Sc_<18>及びCU_<46>Al_<38>SC_<16>合金において正20面体準結晶を発見した。これらの準結晶は黄金比τの3乗のスケーリング則を示し、P型に属する。また、構成元素や組成比からTsai型クラスターを含むものと推定された。前者の形成には、液体急冷法の適用が必要であった。それに対して、後者の場合は、アーク炉での溶融と冷却で準結晶が形成され、さらに600℃での時効処理後も観察されたので、安定相の可能性も含めて形成条件の詳細を研究中である。 2.Zn-Sc低温相近似結晶のX線構造解析 Zn_<85.5>Sc_<14.5>の組成をもち、良く焼鈍された1/1近似結晶は、電気抵抗の異常を伴って153Kで低温相に転移する。この低温相の構造を、92K付近での電子線回折と粉末X線回折実験によって解析した。低温相は、高温相BCCの2倍の体積の格子を持つ単斜晶で、空間群はC2/cであった。低温相では、4個のZnから成る正4面体を含んで歪をともなったTsai型クラスターが基本構造となっていた。また、このようなクラスターがC面心とc-glideに従って規則的に配置しているととが判明した。これは、近似結晶低温相においてクラスター内部の構造が観察された初めての結果である。同様の正4面体を含んだ原子クラスターは、準結晶においても存在するものと想像され、自己相似的秩序の「初項」に関する情報を得たという点で重要である。 3.Feとランタノイドの両方を含む安定準結晶:形成条件と磁性 Zn_<77>Fe_<7>Sc_<16-x>L_x(L=Ho, Er, Tm)の組成を持つP型正20面体準結晶をほぼ0≦x≦8の領域で見いだした。これらの準結晶は、すくなくとも700℃付近において安定であり、徐冷法によりmmサイズの正12面体形状の単準結晶が形成されることもあった。これらの準結晶においては、ランタノイドだけでなくFe原子も磁性に寄与していることを磁気測定の結果は示していた。また、Tmの場合、凍結温度9Kを持つスピングラス特性を示した。これらの準結晶においては、2種類の磁性元素が準周期的に配置しているはずであり、今後の構造解析が待たれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)