希土類錯体を用いた無機-有機ナノコンポジットの水熱合成
Project/Area Number |
17042012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 峰夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30149984)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 無機-有機ナノコンポジット / 希土類錯体 / 蛍光体 / エネルギー移動 / 無機-有機複合体 / dipic / 水素結合ネットワーク / ポリオキソメタレート / 水熱合成 |
Research Abstract |
無機-有機複合体は,無機の骨格中へ有機分子あるいは遷移金属錯体などを取り込み,一次元〜三次元まで様々な構造を持つ化合物であり、無機成分の硬さと有機成分の柔軟さを備えた新しい材料への可能性をもっている。本研究では、自己組織的に集合した新しい希土類含有無機-有機複合体NaEu(C_7H_3NO_4)_27H_2O等を水熱法により合成することができた。また、これら複合体に関して複合体の種類とその生成条件を検討し、それらの物性として主に蛍光特性と熱的安定性を系統的に調査した。モリブデンクラスターを含む複合体は主に軽希土類でのみ生成することがわかった。これらの複合体の内、Laを除く化合物は新規化合物であった。この複合体の生成領域については、SmとEuとの間に明白な境界線が存在している。中希土付近では、層状構造を有するNREM(新規化合物)が生成する。この複合体では、希土類は3配座のdipicが2つと3つの水分子による9配位、Naはdipicのカルボキシレートの酸素原子2つと4つの水分子による6配位をとっている。その構造は、特徴的な二次元構造を有することがわかった。NaとEuとが酸素原子で連結した(無機骨格)二次元ネットワークを形成し、この面からEuに配位したdipicのビピリジン環が眉間に突き出ている。この水分子間には八員環などの強い水素結合ネットワークが存在し、構造を衰定化している。Euの複合体はEu^<3+>に起因する強い赤色蛍光を示すが、dipicの吸収波長に相当するところに励起バンドが存在することから、dipic□ Eu^<3+>へのエネルギー移動による発光効率が高いことがわかった。希土類元素を含む数種類の無機-有機複合体を新規に合成した。この中で、Eu^<3+>を含むNRED複合体は有機分子からの効率的エネルギー移動による発光を示した。更に、含まれる層間水は結晶構造を保持したまま脱挿入し、それに伴って発光スペクトルの形状が大きく変化することがわかった。この現象を利用して新しいタイプの湿度センサーへの展開が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)