Project/Area Number |
17043009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
船久保 公一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60221553)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バリオン数生成 / 超対称性 / ヒッグス粒子 / 電弱相転移 / NMSSM / スファレロン |
Research Abstract |
Next-to-MSSM(NMSSM)は最小超対称標準模型(MSSM)にsinglet chiral superfieldを加えμ問題を解決できる模型である。MSSMに近い現象論的振る舞いを示すパラメータ領域もあるが、singletスカラー場の期待値が100GeV程度の場合は新規な現象を預言する。本研究ではsingletスカラー場が100GeV程度の場合に、Higgs粒子の質量と質量固有状態とゲージ粒子の結合定数、湯川結合定数を調べ、最も軽い中性Higgs粒子の質量は軽いがゲージ結合が小さいために実験と矛盾しないパラメータ領域が存在することを示した。このパラメータ領域では2番目に軽いヒッグス粒子が標準理論のヒッグス粒子とよく似た性質を持っが湯川結合が異なるために線形加速器実験でヒッグス粒子の崩壊を詳細に調べることによりNMSSMのヒッグス粒子であるかどうかを判別できることも指摘した。 またNMSSMの広いパラメータ領域について有限温度の電弱相転移を研究した。その結果、2段階相転移を含む4種類の相転移が可能であることを実証し、中でも軽いヒッグス粒子が存在するときには、従来のものとは異なる強い一次相転移が存在することは初めて示した。これはHiggs doubletとsingletが期待値を持つ相とsingletのみが期待値を持つ相の間の相転移で、そこでは両期待値を秩序変数とする有効ポテンシャルの極小点が不連続に移り変わることで相転移が実現されている。その高温相ではsingletの期待値が真空のそれよりも大きな値を持っており、従来のsingletの期待値が0となる高温相とは全く異なっている。この型の強い一次相転移を実現するには、top quarkのsuperpartnerが軽い必要は無く超対称性の破れに対する要求が緩和される。 次に電弱バリオン数生成がNMSSMで実際に可能であるかを決定する要素の1つであるスファレロン解について研究した。上記のように多彩な相転移が起こる場合、その各々について電弱相転移期に関係するスファレロン配位の境界条件は大きく異なるはずである。従来MSSMのように2つのHiggs doubletを含む模型のスファレロン解は知られていたが、MSSMとは全く異なる現象論や有限温度相転移を示す場合にはスファレロン解の存在やエネルギーの値は自明ではない。MantonのansatzをNMSSMに拡張しプロファイル函数の漸近解を調べることで、singletスカラー場の空間原点における境界条件がdoubletの満たすDirichlet型でなくNeumann型になることを発見した。これにより電弱対称相でのsinglet場の期待値に依らずにスファレロン解が存在し、そのエネルギーはMSSMの場合と同程度であることを数値解を求めることにより示した。
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