染体体構造を網羅的に検定する新技術による初期化に適したドナー細胞の同定
Project/Area Number |
17045015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大林 徹也 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助手 (80348804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福村 龍太郎 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 研究員 (90392240)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 幹細胞 / ES細胞 / ヘテルクロマチン / リプログラミング / エピジェネティックス / 再生医療 / 遺伝子改変マウス / エピジェネティクス / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
本研究では、幹細胞の分化に伴う染色体のエピジェネティックな構造(エピゲノム構造)の変動を検討している。これら変動の解析結果と種々の細胞のエピゲノム構造を比較検討することで、初期化に適したドナー細胞を同定することを目的としている。この現象をモニターし得る因子として、哺乳類HP1(Heterochromatin Protein 1)HPIに注目している。 ES細胞、EC細胞などの未分化幹細胞、骨髄幹細胞、脂肪前駆細胞などの組織幹細胞、皮膚繊維芽細胞などの終末分化細胞などを用いた解析や精巣などの組織の免疫染色の結果により、下記のような結果を得た。 1)哺乳類HP1ファミリーに関して:哺乳類ではHP1α,β,γの3種が存在しファミリーを構成しているが、そのなかでもHP1γが最も幹細胞の分化過程において核内局在やクロマチンに対する機能が変化することを見出した。 2)核内局在に関して:ES細胞、EC細胞などの未分化幹細胞ではHP1γは核全体にdiffuseに存在しているが、終末分化細胞では染色体が凝集している領域(ヘキスト濃染色部位)に局在している。また、EC細胞をレチノイン酸で分化誘導した場合、HP1γは染色体が凝集している領域に局在するようになった。 3)クロマチンとの結合に関して:クロマチン画分を各種塩濃度によつて処理した解析の結果、終末分化細胞に比べて未分化細胞ではHP1のクロマチンとの結合が弱いことを見出した。 4)HP1ファミリーの修飾に関して:ピストンと同様にHP1もリン酸化やアセチル化などの特異的な修飾を受けてクロマチン構造に変化を与える(サブコード仮説)ことが提唱されているが、細胞の種類/状態によつてHP1α,β,γそれぞれ特異的な修飾がされている可能性を見出した。 これらの結果から、HP1が幹細胞分化や脱分化に伴うクロマチン構造状態をモニターし得る因子であると結論した。さらにES細胞や組織幹細胞レベルでのHP1の挙動を詳細に解析するために、HP1α,β,γのN末側領域にHA-tagとEGFPを融合するようにノックインしたES細胞を樹立しマウスを作成する計画を進行している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)