Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
精子幹細胞は哺乳類精巣にあり、個体の遺伝情報を子孫に伝えることのできる唯一の幹細胞である。研究代表者らは2003年に精子幹細胞の長期培養系の確立に成功し、これをGermline Stem(GS)細胞と命名した。本研究課題において研究代表者らはGS細胞に遺伝子導入し、遺伝子トラップ法および遺伝子相同組換えにより遺伝子ノックアウト動物の作成に成功した。これまで個体レベルの遺伝子操作は、卵や初期胚由来のEmbryonic Stem(ES)細胞を用いた方法が中心となってきたが、この成果は精子幹細胞に基づく新しい生殖工学技術が可能であることを示唆する。18年度の研究では、この技術をラットに応用し遺伝子ノックアウトラットの作成を試みた。ラットのGS細胞もマウスのGS細胞の培養条件を改変した方法で樹立・維持することができ、遺伝子導入が可能であることが分かった。しかし懸念される問題点は、このようにラットにおいて樹立された多数のトラップクローンをホストに移植し子孫を作成するには高額の飼育費を要することである。この問題を解決する一つの手段として、我々はラットの精子幹細胞をマウスの精巣に異種移植することにより、小型動物をホストとしてラット精子幹細胞由来の子孫の作成を試み、成功した。この成果により大型動物のGS細胞を小型動物の精巣で分化させ子孫を得ることが可能であることが示され、将来GS細胞による遺伝子改変個体作成法をより大型動物へ実用的に適用できる可能性が示された。
All 2007 2006 2005
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