幹細胞自己複製と寿命・老化制御における分子基盤の共通性
Project/Area Number |
17045029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平尾 敦 金沢大学, がん研究所, 教授 (90343350)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
|
Keywords | 幹細胞 / 老化 / 活性酸素 / 造血幹細胞 / ATM / p38MAPK |
Research Abstract |
本年度は、加齢による幹細胞機能の変化を幹細胞の老化の観点から検討した。マウスの造血幹細胞機能は、加齢マウスにおいても低下しないことが示されている。そこで、造血幹細胞の老化を、連続骨髄移植を行うことによって観察した。この連続移植の過程で活性酸素が上昇することが判明した。この活性酸素の上昇と幹細胞機能の低下に相関を見出した。連続移植後の造血幹細胞の老化を検討したところ、p16INK4a,p19ARFといった老化のバイオマーカーは上昇していた。同様に活性酸素が上昇しているATM欠損マウスの造血幹細胞においてもこれらのマーカーは上昇していたもののSA-b-galのような一般的な老化の指標は検出されなかった。このことは、いわゆる細胞老化が造血幹細胞で起こっていないことを意味するのか、あるいは検出の指標が適切ではないのか検討することの必要性が判明した。一方、線虫で寿命していることが知られているDaf-16の哺乳動物相同遺伝子FOXO3aの欠損血液細胞においても幹細胞プールが維持できないことが判明した。この変異造血幹細胞において、活性酸素の上昇およびp38MAPK活性化が観察された。興味深いことに、このp38MAPKの活性化は幹細胞特異的に観察され、活性酸素に対する反応は、幹細胞レベルと分化細胞レベルでは明らかな相違があることが示唆された。しかしながら、p16INK4aの上昇は見られなかったため、これらの幹細胞プールの枯渇現象と細胞老化の関係についてさらに検討の必要があることが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)