ヘパラナーゼの局在化によるヘパラン硫酸分解活性の制御と生体内の細胞交通の制御
Project/Area Number |
17046002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 伸昭 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (40302616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入村 達郎 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (80092146)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ヘパラナーゼ / 細胞交通 / がん転移 / アレルギー / 糖鎖 / マスト細胞 / 細胞内輸送 / ヘパリン / プロテオグリカン / 炎症 / モノクローナル抗体 / RNAi |
Research Abstract |
免疫細胞におけるヘパラン硫酸、ヘパリンなどグリコサミノグリカンの分解は、血管外浸潤の調節、生理活性物質の切り出しや貯蔵などを通じて生物現象の制御に関与すると考えられるが、その詳細はわかっていない。ヘパラナーゼの多様な分子種とその活性に着目し、主にマスト細胞を題材にその細胞内分布と機能を検討した。 マスト細胞にヘパラナーゼが高発現することを昨年度に見出した。今年度は種々のマスト細胞について発現を検討した。結合組織型マスト細胞には共通して強い発現が認められたが、粘膜型マスト細胞には検出されなかった。これはin vitroのマスト細胞の分化誘導培養系でも確認された。結合組織型マスト細胞はヘパリンを合成、蓄積するが、ヘパラナーゼの発現がこのヘパリンの発現に相関すると考えられた。マスト細胞株が外因性の前駆体ヘパラナーゼを取り込み顆粒内に蓄積すること、この過程でプロセシングによりヘパラナーゼを活1生型に変換すること、この結果生じる顆粒内ヘパリンの低分子化が顆粒内プロテアーゼの活性増強と相関することを見出した。ヘパラナーゼが顆粒内プロテアーゼの調節因子であるヘパリンを低分子化することにより、その活性調節に関与すること、つまりマスト細胞が顆粒内に保持する個々のエフェクター分子の活性を転写非依存的かつ包括的に支配する可能性のある分子であることを示した。 ヘパラナーゼのプロセシングを細胞内で検出する系の確立を目指した。昨年度の抗ヘパラナーゼモノクローナル抗体のエピトープ解析結果を受け、種々の細胞における内在性ヘパラナーゼの細胞内分布を検討した。マスト細胞などの免疫細胞とメラノーマ、大腸がん細胞などのがん細胞の間で、複数のモノクローナル抗体に対する反応性の強弱が異なることを見出した。両細胞が異なる分子種を含む可能性を考え、生化学的な裏付けを試みている。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)