Project/Area Number |
17046028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Hospital Organization Nagoya Medical Center |
Principal Investigator |
小栗 佳代子 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), 室長 (10158826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 速夫 愛知県がんセンター研究所, 腫瘍病理学部, 室長 (20207830)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 癌 / 糖鎖 / 浸潤、転移 / グリピカン / マトリックスメタロプロテアーゼ / 硫酸化糖鎖 / プロテオグリカン / ヘパラン硫酸 / シンデカン |
Research Abstract |
昨年度の研究で、細胞膜貫通型ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)であるシンデカン-2が、腫瘍細胞(ルイス肺癌由来細胞株)表層におけるマトリックスメタロプロテアーゼ-2(MMP-2)の活性化を阻害し、結果的に転移に抑制的に作用することを明らかにした。本年度は、細胞の動態を左右するこのような細胞表層HSPGによるMMP制御が他にも存在するかを知るため異なる細胞(Colon26大腸癌由来細胞株)系で検討した。 研究実施計画(1)に関して (1)転移能の異なる細胞株間で、MMP-2発現は同レベルであったが、MMP-9発現は、高浸潤かつ高転移性細胞にのみ認められた。 (2)MMP-9阻害剤を用いたin vitro解析により、細胞の移動、基底膜浸潤にMMP-9が必須であることを明らかにするとともに、MMP-9がヘパリン結合能を有することを明らかにした。 (3)フローサイトメトリー解析により細胞表層にMMP-9が局在することが明らかとなり、HS除去あるいはヘパリン添加によりそれらが遊離することから、細胞表層HSPGがMMP-9に対する受容体活性を有していることが示された。免疫沈降法により、GPIアンカー型HSPGであるグリピカンがMMP-9に対する受容体活性を有することを明らかにした。 研究実施計画(2)に関して (1)細胞免疫染色により、MMP-9が腫瘍細胞の運動先端のfilopodiaに濃縮していること、それらは常に細胞表層HSと共局在していることを明らかにした。 (2)HS除去あるいはヘパリン添加により、MMP-9が表層から消失することを明らかにした。 得られた結果は、GPIアンカー型HSPGであるグリピカンがMMP-9受容体として、細胞表層の特定部位に酵素を濃縮することを示唆しており、それは腫瘍細胞の浸潤、転移の確率を上げる要因となると考えられた。
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