好塩基球を介したTh1/Th2分化制御および感染に対する免疫監視機構の研究
Project/Area Number |
17047016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀧 伸介 信州大学, 大学院医学研究科, 教授 (50262027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥田 重明 信州大学, 大学院医学研究科, 助手 (10345762)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥9,600,000 (Direct Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | ヘルパーT細胞 / 好塩基球 / サイトカイン / アレルギー / Fc受容体 / シグナル伝達 / 免疫応答 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
本年度は、IL-3を欠損するOT-IIトランスジェニックマウス脾細胞由来の好塩基球はIL-4を産生せず、また同マウスではTh2分化も激しく障害されていたことから、IL-3が好塩基球を介してIL-4を誘導し、Th2分化を促進しているという我々の仮説が確認された。さらに、好塩基球のIL-4産生機構に関して、Fc受容体のシグナル伝達分子であるγ鎖(FcRγ鎖)が、好塩基球にけるIL-4発現にいたるIL-3シグナルの伝達経路に必須であるという新たなシグナル伝達機構について、1)FcRγ鎖欠損マウス由来好塩基球では、IL-3で刺激してもIL-4を全く産生しなかったが、野生型FcRγ鎖をレトロウイルスベクターを用いて発現させてやるとIL-4産生が回復すること、2)また、その場合、ITAMを欠く変異型FcRγ鎖はIL-4産生を回復できないこと、などを見出し、FcRγ鎖は何らかの分子を発現させるシャペロンとしてではなく、シグナル伝達分子として好塩基球のIL-3応答に関与していることを明らかとした。そしてIL-3受容体β鎖がFcRγ鎖と、直接もしくは何らかの分子を介して結合していると考えられた。一方、FcRγ鎖を欠損する好塩基球はIL-3に対して正常に増殖し、IL-3のシグナル伝達経路のうち増殖にいたる経路にはFcRγ鎖は関与せず、IL-4産生にいたる経路に特異的に関与していることが示された。さらに、PIR-B欠損マウスでは好塩基球のFcεRIクロスリンクによるIL-4産生が亢進していること、また通常はIL-3刺激を継続することによって低下するIL-3応答が、PIR-B欠損好塩基球では低下せず、好塩基球のIL-3応答の負の制御機構にも破綻が見られることから、PIR-B分子のTh2分化制御の少なくとも一部は好塩基球のIL-4産生制御を介している可能性が示唆されている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)