ヒトT細胞免疫監視システム形成におけるケモカインレセプターの役割
Project/Area Number |
17047033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥9,600,000 (Direct Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 免疫学 / T細胞 / ケモカインレセプター / 分化 / ケモカインレセウター |
Research Abstract |
ヒトCD8 T細胞の分化・成熟過程を明らかにする目的で、その機能分子であるPerforin(Per), Granzyme A(GraA), Granzyme B(GraB)の発現をマルチカラーフローサイトメトリーにより解析し、ヒトCD8+ T細胞はPer-GraA-GraB-, Per-GraA+GraB-, PerlowGraA+GraB-, PerlowGraA+GraB+, PerhighGraA+GraB+と分化・成熟してゆくことを明らかにした。この3つのエフェクター分子の発現様式を二つのT細胞分化・成熟モデル(CCR7/CD45RAとCD27/CD28/CD45RAの発現によって識別される)において解析してみると、これらの分化・成熟モデルでは部分的にしか機能を反映していなかった。しかし、3つの細胞表面マーカーCD27/CD28/CD45RAとケモカインレセプターCCR7を用いることで、機能的に異なるヒトCD8+ T細胞集団を同定することができた。一方、CXCR3とCCR6の発現を調べたところ、CXCR3が高発現している集団がCD27+CD28+CD45RA-のメモリー分画に高頻度で認められた。また、このCD8+ T細胞の表現型はCCR5-であり、IFN-γのみならず、IL-2の産生能も示したことから、未熟なメモリー細胞である可能性が示唆された。またCCR6はメモリー分画に特異的に発現し、エフェクターメモリー分画に発現の高いCCR5と非常に高い相関性を示すことが確認された。このCCR6+CD8+T細胞はパーフォリンの発現が低く標的細胞のアポトーシスを誘導するGraAを発現するがGraBを発現していない細胞集団であり、さらにヒト末梢CCR6+CD8+T細胞はリガンドであるCCL20に特異的な遊走能を示し、腸管に特異的に発現している接着分子の発現が高いことから,末梢血中のCCR6陽性エフェクターメモリーCD8+T細胞が腸管、皮膚への遊走に関わっている可能性が示唆された。このようにCCR5、CCR6,CCR7は、ヒトT細胞の分化成熟と免疫監視に重要な役割を果たしている事が明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)