SPRY1によるT細胞活性化の時間的制御機構の解明
Project/Area Number |
17047035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松田 達志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00286444)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥9,600,000 (Direct Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | T細胞 / 細胞内局在 / MAPK / 細胞内カルシウム濃度 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
T細胞の過剰な活性化は各種の自己免疫疾患やアレルギー性疾患といった弊害を引き起こすが、いったん活性化したT細胞がどのようなメカニズムで沈静化するかについては、未だ十分な解析がなされていない。本研究は、SPRY1によるT細胞不活1生化機構の解明を通して、免疫系が備えている負のフィードバック機構の解明を目指すべく計画された。種々の解析から、SPRY1はPLCγ1の活1生化の抑制を介してT細胞活性化のシグナルを阻害している事が明らかとなった。一方で、PLCγ1のリン酸化に関与するZAP70の活性化や、PLCγ1と協調的にT細胞シグナル伝達経路を制御するVav・SLP76等の分子の活1生化には影響を及ぼさない事から、SPRY1の作用点はPLCγ1そのものであることが強く示唆された。さらに、その阻害様式にSPRY1の細胞内局在が大きく関わっている事を、各種の変異体を用いた解析から明らかにした。また、レンチウイルスベクターを用いて培養細胞にSPRY1を過剰発現させると、TCRシグナルによって誘導される遺伝子発現のみが特異的に抑制され、サイトカイン刺激にともなう遺伝子発現には影響を及ぼさない事が明らかとなった。この知見が生理的条件下のT細胞にも適応できるか否かを検討するために、われわれはSPRY1のT細胞特異的トランスジェニックマウスの作製を行った。目的遺伝子が導入された複数のラインが得られたものの、そのうち末梢T細胞でのSPRY1の発現レベルが高く維持されたライン(line#14)と中程度に発現するライン(line#11)についての解析を行ったところ、予想通りSPRY1の発現レベルに依存したTCRシグナルの抑制が観察された。以上の結果から、TCR刺激にともなって発現誘導を受けるSPRY1が、その後の過剰なTCRシグナルを負に制御する事により、免疫監視機構の恒常性を維持しているというスキームが強く示唆される。現在、この作業仮説を検証すべく、SPRY1のノックダウン系を構築中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)