Project/Area Number |
17047049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀 昌平 独立行政法人理化学研究所, 免疫恒常性研究ユニット, ユニットリーダー (50392113)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥9,600,000 (Direct Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 免疫制御 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / 免疫疾患 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 網羅的遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
平成18年度は、(1)免疫恒常性維持における制御性T細胞の生理的意義、(2)制御性T細胞による免疫抑制メカニズムにつき研究を進めた。(1)に関しては、Foxp3変異マウスに発症する致死的自己免疫疾患と免疫恒常性の破綻が、かつてより提唱されている胸腺環境側の異常によるのではなく、制御性T細胞の欠損により発症することを明らかにした。そして、末梢における制御性T細胞の数を厳密に保つ恒常性維持機構の存在を証明した(論文投稿中)。(2)に関しては、ヒト自己免疫疾患PEX患者において見つかっているFoxp3遺伝子変異の制御性T細胞の発生・分化と機能に与える影響の解析を進め、IPEX変異体導入T細胞の機能を生体内において疾患モデルを用いて検討した。その結果、解析したIPEX変異のうちあるものは制御性T細胞の発生・分化および機能の両方に障害を引き起こすのに対し、ある変異は制御性T細胞の免疫抑制機能にのみ選択的に障害を与えることが判明した。以上の結果から、制御性T細胞の分化あるいは機能異常がIPEXの原因であることが示された。さらに、網羅的遺伝子発現解析から、制御性T細胞の抑制機能に選択的に障害を与える変異によりFoxp3の多数の標的遺伝子のうち少数の遺伝子のみの発現が障害されることが明らかにされ、これらIPEX変異感受性標的遺伝子が免疫抑制機能に関与することが示唆された。発現解析の結果、抑制を担う遺伝子として候補を3個の遺伝子に絞り込み、機能解析を開始した。候補遺伝子のうちの一つについてT細胞特異的トランスジェニックマウスを作製してFoxp3変異マウスと交配させたところ、Foxp3変異マウスにみられる免疫恒常性の破綻を部分的に是正したことから、この遺伝子が制御性T細胞の抑制機能を担う実働分子である可能性が示唆された。
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