Project/Area Number |
17048012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2006) Osaka University (2005) |
Principal Investigator |
佐甲 靖志 独立行政法人理化学研究所, 佐甲細胞情報研究室, 主任研究員 (20215700)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 上皮成長因子受容体 / Grb2 / 細胞内情報伝達 / 1分子計測 / 分子認識 / 状態遷移 / 反応記憶 / EGF / 細胞膜 / 表面修飾 |
Research Abstract |
上皮成長因子(EGF)受容体の古典的な活性化経路は、EGFの結合した受容体2分子によるホモダイマー形成であるが、我々は、この経路で活性化した受容体とリガンドの結合していない受容体とのヘテロダイマー形成による新しい活性化経路を発見した。本研究は、活性化経路に依存した受容体の活性化状態や情報処理機能の差異を明らかにすることを目標とする。 活性化経路の異なる受容体を区別して反応計測するため、ガラス表面にEGFを固定化する方法を開発した。細胞膜の受容体を活性化し、さらに細胞をセミインタクト化して蛍光標識した抗リン酸化抗体で受容体の活性化を検出することができた。今後、EGFの結合をパターン化して、1次的に活性化した受容体と、細胞膜自由表面に熱拡散してくる2次的に活性化された受容体の反応・構造を比較する。 受容体の機能を検討するため、受容体とアダプター蛋白質Grb2の相互作用の1分子計測をおこなった。解離反応は指数関数の重ね合わせで近似できたが、結合反応は複雑で、Stretched exponentialキネティクスでよく近似できた。反応部位毎の反応速度の解析から、多数の解離状態が状態遷移しながら複数の反応経路で結合状態へ向かっていることが示唆された。結合反応はGrb2濃度が上昇するにつれて起きにくくなっていた。反応時系列に非マルコフ性(メモリー)があることも示唆された。このようなEGF受容体とGrb2の認識反応の濃度依存性は、細胞内のGrb2濃度変動による分子認識反応の変動を抑制する効果を持っている。
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