クロモキネシンKidによる分裂後期の染色体動態と娘細胞核形成の制御機構
Project/Area Number |
17050006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00332586)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 細胞生物学 / 分裂期 / 核膜 / キシネン様モーター分子 / 染色体分配 / ノックアウトマウス / Kid / キネシンモーター分子 |
Research Abstract |
クロモキネシンKidは染色体腕の中期板整列や、中期紡錘体長の維持を担うことが明らかにされているモーター分子である。我々はRNAiによる発現抑制の結果から、Kidは分裂後期にも染色体整列とは独立の働きを担っていることを見いだし、昨年度までにKidが分裂後期/終期染色体の一塊化、正常な核ラミナの形成に寄与していることを見いだした。本年度は主にKid欠損マウスの解析を行い、以下の点を明らかにした。 1)129系統とc57BL/6系統のミックスバックグラウンドにおいて、Kid-/-胚盤胞胚はメンデルの法則から予想される数の約半数しかいないが、生存していたKid-/-胚盤胞はすべて野生型のものと同様の正常な核形態、胚形態を示していた。2)Kid-/-胚は8細胞期まではメンデルの法則に従う割合で確認されるが、2細胞期においても約半数の胚では多核や微小核など分裂異常が原因と考えられる核形成異常を示していた。3)mRNAを前核期胚にinjectionすることでEGFPを融合した染色体結合タンパク質部分断片を発現させ、第一体細胞分裂(第一卵割)期の染色体動態を可視化し、time-lapse観察を行った。その結果、Kid-/-胚では染色体の整列、後期への移行には明らかな異常が見られなかったが、分裂後期/終期の染色体のまとまりが悪く、その結果一部の染色体の周囲に個別の核膜が形成される様子が観察された。以上の結果から、HeLa細胞で得られた結果と同様に、Kidは生体内においても分裂後期/終期の染色体一塊化を担っており、その働きは特に卵割初期の分裂において重要であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)