マウス生殖細胞分化で起こる核内ドメインのダイナミクとそのイメージング
Project/Area Number |
17050007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
栗原 靖之 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教授 (80202050)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 精子形成 / 核内小器官 / 細胞分化 / 遺伝子発現調節 / 細胞核 / 生殖細胞 / 哺乳動物 |
Research Abstract |
個体を作る分化全能性を持った生殖細胞は安定に代々受け継がれ種の連続性を維持するとともに遺伝子組成を変化させて種の多様性を生み出す。これは単細胞生物から多細胞生物まで本質的に変わりなく維持された生体システムの根幹をなす高次生命現象である。特に雄性生殖細胞ではRNA情報の発現制御が精子形態形成の主要な役割を果たしている。申請者は、新規核内ドメインparaspeckleを構成するタンパク質の一つ、mPSP1を題材に生殖細胞で機能するRNA結合タンパク質の機能解析を進めてきた。これまでの研究で生殖細胞は非常にユニークな核内ドメインのダイナミクスの実験系を提供するのではないかと考えた。生殖細胞は減数分裂や転写活性の消失、クロマチンの高密度な凝縮、核形態の変化など体細胞では見られない大きな核内アーキテクチャーの変動が起こっている。このような核内アーキテクチャーの変動は精子形成という高次生物機能を具現する要因として重要である。そこで、mPSP1を基軸として生殖細胞の各分化段階での核酸代謝様式と核内ダイナミクス、核内アーキテクチャーとの相関を生化学的、及び組織学的に明らかにすることを本研究の目的にした。 今年度は生殖細胞の核内ドメインに特有のタンパク質に対するモノクローナル抗体(MoAb)の作製を行った。さらに、樹立した抗体を使って精巣切片に対し免疫組織学的解析を行った。 これまでに、核内ドメインのうちparaspeckleに特有のPSP1、PSF、NonOの3種のタンパク質とcajal podyに特有のcoilinタンパク質、Gemに特有のSMN1タンパク質、splicing speckleに特有のSC35タンパク質に対するMoAbを樹立した。これら抗体は組織ウエスタンブロッティングにより単一バンドを検出した。マウス組織切片に対し免疫組織学的解析を行ったところ、精子形成の分化段階応じてダイナミックな核内分布の変化を示した。特に、coilinは大部分の精子形成期には核内に分散して分布するのに対し、分化の最終段階では精子尾部の基部に強染色された。また、PSP1、PSF、NonOも精子形成期の核内で局在を変化することを考え合わせると、分化に伴い大きな核内環境の変化が生じていると考えられる。また、PSP1は遺伝子の転写からmRNAの翻訳まで関与する多機能性タンパク質であることを明らかにしつつあり、この機能と精子形成分化中の核内分布を比較する準備が整った。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)