植物の環環応答センサーとしての光化学系IIPsbpタンパク質の生理的役割の解明
Project/Area Number |
17051016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊福 健太郎 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (50359783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文彦 京都大学, 教授 (10127087)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 植物 / 葉緑体 / 環境適応 / 光化学系II / 酵素発生系 / 酸素発生系 / 膜表在性タンパク質 / 環境応答 |
Research Abstract |
PsbPは、高等植物や緑藻の光化学系II(PSII)酸素発生系Mnクラスター周辺のチラコイド膜ルーメン側に存在する膜表在性タンパク質である。またPsbPは、ウイルス感染や温度変化などの環境ストレスに対して蓄積量が変動することが知られている。これまでに我々の研究室ではRNAi法でPsbPの発現を抑制したタバコ(ΔPsbP株)を作出し、PSII最大量子収率の指標であるFv/Fm値の顕著な低下、生育の遅れ、そして特にMnクラスターの不安定化が生じる事を明らかにしてきた。またこれに加えて、ΔPsbP株では光化学系I(PSI)の量が極端に減少し、循環的電子伝達に関わるNDHやCyt b6/f複合体サブユニットの蓄積量が増加する。こうした現象は緑藻クラミドモナスのPsbP欠損株では認められない。そこで次にPSII内部の電子受容体であるQAとPSI反応中心クロロフィルであるP700の酸化還元状態を解析した。その結果、ΔPsbP株ではQAが還元されている状態でも、P700は酸化されており、チラコイド膜上でPSII複合体が"非効率な状態"のまま蓄積することが明らかとなった。さらにPSIIのサブユニットの多くが脱リン酸化され、集光アンテナとの複合体であるPSII-LHC II超複合体の量が減少していることを見出した。このPsbPを欠いた"非効率なPSII"はPSII複合体の分解-修復サイクルの中間体であることが推定された。共同研究を行っているドイツのグループは、PsbPがMn原子を結合し、PSIIの活性化反応に重要であることを報告しており、高等植物ではPsbPが核にコードされたPSIIの活性化因子としての機能を担っていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)